4556 ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生展
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」を観に行ってきた。
そもそも、風景画というジャンルが、ごくごく普通のジャンルだと思っていたが、こうして「誕生」という形で紹介されると、どこかのタイミングで”誕生”したということを、再認識させられる。
もともと、まったく詳しいわけでもなく、予備知識すらなかったので、音声ガイドを借り、学びながら鑑賞した感じだった。
古い著名な絵画を見ればわかるが、絵画は宗教画から始まったと言ってもいいくらい、宗教と密接に関わっている。
絵画の、主役は宗教であり、そして、そこに登場するのは宗教に関わる人物である。
風景はあくまで”背景”であり、引き立て役でしかなかった。
それが、時代を経るにつれ、季節感や生活感が徐々に盛り込まれていく。
それに比例するように、宗教に由来した人物の大きさは、どんどん小さくなったいった。
おそらく…これは勝手な想像だけど、人々の生活の中での、宗教活動の占める割合が減ってきたこと も、風景画というジャンルが生み出された理由のひとつかもしれない…という気もした。
幻想的で奇怪なイメージの地獄や悪魔の表現で名を馳せ高く評価された画家として知られている(らしい)、ヒエロニムス・ボスに影響を受けた作品が展示されているということで、それにちなんで、入口に巨大なオブジェが置かれていた。

当然ながら、 ミュージアム内は撮影禁止だが、ここは撮影OK。
最近はこうしたあえて撮影できる場所を用意してくれることが多くなった。