4461 彫刻は本にまで…

博物館・展覧会,芸術・デザイン

スー・ブラックウェル 「Dwelling -すみか- 」展先日は、バナナを彫刻するという作品に出会ったが、今回は、ブック・スカルプチャーという、なんと「本」を彫刻する作品を鑑賞してきた。

場所は、銀座にあるポーラ ミュージアム アネックス。

作者は、ロンドンを拠点に活動するブラックウェル。

会期が今日までということか、会場は混雑していた。

家の形をした展示台の中に入って覗き込む感じ解説によれば…彼女が、インスピレーションを受けた本を読み終えると、そのまま、その本をカットして作品の制作が始まる。

気の遠くなるような、繊細な作業を経て、彼女のイメージを、読んだ本の上に作り上げていく。

主な素材は、本(紙)だけだし、サイズも見開いた本の大きさしかないのに、そこには、幻想的な風景が広がっている。

まるで小さくなった自分がそこに居合わせたような感じだ。

写真だとちょっとわかりにくいのだけど、いずれも、本の上に小さな世界が広がっている。

写真だと見難いが波の表現も見事 鉄道模型を思い出す…

不思議な雰囲気実際の大きさ以上に広がりを感じられるのは、よけいな着色がなく、極めてシンプルだけに、見る人のイメージも重ねられるからなのかもしれない。

そして、静まりかえった世界なのに、命というか、どこか暖かみを感じられる。

どこかのサイトでこれらの作品を、“大人版飛び出す絵本”と紹介していたが、言い得て妙というか、本当にそんな感じがした。

Posted by ろん