6661 埼玉県立近代美術館開館40周年記念展
埼玉県立近代美術館が開館して、今年で40周年ということで、それを記念した企画展が開催されている。


開館40周年記念展「扉は開いているか―美術館とコレクション 1982-2022」を鑑賞。
会場の入口に1982年同館初の企画展「開館記念展 印象派からエコール・ド・パリへ」のポスターが展示されていた。

このポスターは、同館収蔵作品であるモネの《ジヴェルニーの積みわら、夕日》を背景に、大胆にロゴを配するデザインしてあるものだ。
そして描かれたロゴデザインは、グラフィックデザイナーの田中一光のもので、この美術館の建物は黒川紀章による設計となっている。
こんなところから、なんとなく当時の気合の入り方を感じた。
地域の公共美術館としては、誰もが知っているような芸術家だけでなく、決して知名度が高くなくても、地元や地元にゆかりのある作品などを紹介するのは、あるべき姿だと思う。
ただ、いかんせん“知らない”ので、正直言えば、興味が湧きづらいこともある。


そんな僕のような人でも、たとえば描かれた当時の時代背景とか、有名な作品とのつながりといった情報などがあると、興味が持てるのではないだろうか。
もちろん、全体としては面白かったし、さまざまな作家の作品が見られて、なんだかお得な気分にもなった。
企画展の後に観賞した常設展(収蔵品展)に展示されていた「草〈朝〉 同一の草の一日」という作品は、まるで写真のような仕上がりで、ちょっとびっくり。

観賞後、何度も来てるのに、なかなか行けなかったり、忘れてたりしてた、中銀カプセルタワービルの”カプセル”をちょっとだけ眺めてみた。
美術館のある公園内に設置されている。
中銀カプセルタワービルは、最近、ほとんど行けなくなってしまって、その間に、ついには解体ということになってしまった。
思い入れの深い建物だけに、このカプセルを見ていると、いろいろなことが思い出されて、ちょっと切ない気分にもなってくる。