4071 見納めの青梅吉野梅郷
梅の名所として知られる青梅の吉野梅郷に行こうと思ったのは、来月ですべての梅が伐採されると知ったからだ。
理由は、感染すると木を弱らせてしまい実も早く落ちてしまうという、プラム・ポックス・ウイルス(ウメ輪紋ウイルス)駆除のためという。
日本で初めて感染が確認されたのがこの吉野梅郷で、現在治療や予防法が見つかっていないため、発見次第伐採するしかないのだという。
また日本各地でこれまで発見されたウィルスが、すべて吉野梅郷のものと同一であるとなれば、伐採もやむを得ないだろう。
西武拝島線、JR青梅線を乗り継いで、吉野梅郷の最寄り駅である、日向和田駅へやってきた。
ふだんは無人駅だが、この時期は多数の観光客が訪れるため、簡易Suica改札機は、出場用に4台も並んでいた。

吉野梅郷までは徒歩での移動となる。駅前広場のような場所はなく、駅の目の前を青梅街道が通り、わずかに住宅や新聞販売店などが並ぶ程度。


先週も見たように、下流では大きな川だが、ここではだいぶ川幅は狭い。橋の途中から、これから向かう吉野梅郷が見える。

特に道案内はないのだけど、人の流れに付いていけば、たどり着ける。途中の道はお祭りみたいだった。

地元の人たちが、いろいろ商売をやってたが、こうした人の流れも、この春限りとなってしまう。

正面の入口付近は、一部まだのウメもあったが、多くのウメは、もうだいぶ見頃を迎えていた。


真新しい記念碑には、再生を誓う言葉が書かれ、ステージにも決意が書かれていた。
地元の人たちからしたら、大変つらいことだろう。


小高い山を上がり、振り返ると、一面ウメの花でいっぱいだった。ほのかな梅の香りもあって、まさに、ここは“梅郷”だった。

すでにウメが伐採された場所には、福寿草などが植えられ、完全伐採後の準備が進められているようだった。
