3939 ジャック

人文・教育・思想

すべての広告が一社で統一された“広告貸切列車”を見掛けることがある。

広告主の立場から見たら、その列車を利用するすべての人に見てもらえる効果が期待できる。

しかし内容によっては、これほど迷惑で、下品な印象を与える広告は、ほかにないのではないかと思う。

同じ広告で埋め尽くされた車内では、乗客は窓の外を見るか、目をつぶらなければ、広告から逃れることができないからだ。

それだけに工夫が求められる広告の形態だと思う。

昨日、下品な広告について考えていたら、そういえば、彼が、以前東京近郊のJR各線や地下鉄に、貸し切り広告を出していたのを思い出した。

彼の出した広告は、見る側の立場に立っていない一方的なものだった。その印象があったから、よけいFacebookで見たときに、嫌悪感を覚えたのかもしれない。

当時、この話題を伝えるサイトでは、この“広告ジャック”のために、彼は3800万円掛けたということを伝えいる。

…広告ジャック?

もちろん、飛行機の乗っ取りを意味する“ハイジャック”を由来とした言葉だろうが、調べてみれば、実は“ジャック”には、乗っ取るという意味はないそうだ。

ここで言う「Jack」は、英語ではごくありふれた名前であり、“普通名詞”のような扱いで用いられているらしい。

かつて、ギャングが襲う際に「Hi! Jack!」と言って駅馬車を襲っていた表現が語源だとする説があるそうだ。

つまり、ハイジャックの「ハイ」は high=高い ではなく hi=ハイ!なわけで、“広告ジャック”というと、すっかり意味不明な言葉になってしまう。

今回この言葉を調べていると、この、“ジャック”という言葉は、あまりにありふれた名前だったために、さまざまな単語で使われていると紹介するサイトに出会った

服の…「jacket(ジャケット)」も…
DJや騎手の…「jockey」(ジョッキー)」も…
二つ折りナイフの…「jackknife(ジャックナイフ)」も…
電話のケーブル差し込み口の…「telephone jack(テレフォン・ジャック)」も…
車などを持ち上げるときに使う…「jack(ジャッキ)」も…

どうやら身の回りは、ジャックだらけ…ということになる。

Posted by ろん