3109 いざベトナムホーチミンへ
初めてのベトナム出張で、当然ながら、ベトナム航空に乗るのも初めて。
いたって質素という印象。
各シートに液晶のタッチパネルが用意され、ゲームはもちろん、電話やインターネットにも対応できる、新しいタイプの操作パッドが取り付けられていた。
でも、ほとんど活用されていない状態。実際に使われている機能は、ゲーム用のボタンくらい。
出発前、急にLinuxOSの起動画面?みたいなものが出てきて、一切の操作を受け付けなくなることもあったので、システム全体にある種の“微妙さ”を感じた。
日本語の機内誌はなく、座席で視聴できる映画や音楽について、若干日本語での紹介があるだけで、おなじみの?機内販売は一切ない。そういった点では静かでいいけど。
僕の隣に座っていた六十歳代くらいの男性が、映画か音楽の音を聞こうと、ヘッドホンを接続しようとしているが、なかなかうまく入らない。ヘッドホンが故障しているといって、交換してもらったものの、やっぱり接続できない。どうもジャックの穴に何かが詰まっているようだ。
男性は別の空いている席に案内された。おかげで、隣が空席となった。ありがたい。
昼食は、事前にメニューが配られ、和食と洋食と選べる。僕は、やたら漢字の多い和食を選択。
そして、デザート?は、人形焼。ごくごく普通の人形焼きだった。
一部のトイレには、窓があって明るい。窓があるだけで、なんだかとても贅沢なトイレに感じた。灰皿が現役でそのまま取り付けられていたが、これはちょっとまずかろう。
ホーチミン、タンソンニャット国際空港に定刻通り到着。ボーディングブリッジではなく、タラップを使う。
タラップを使うと、飛行機全体が見えて、ちょっと楽しい。まさにこれに乗ってはるばるやってきたんだと実感できる。
いよいよ入国審査。
まぁ入国審査と言っても、パスポート以外に提示するものはなく、これまでも何か言われたり、指示されるようなことはなかったので、パスポートだけ出して、ボーッと待っていたら、なにやら見せろという。
なにを言ってるのかよくわからなかったので、とりあえず搭乗券を見せたら、
「キップ!」
…と強い口調で言われた。eチケットの控えを見せると、ようやく入国が許された。
国際線ターミナルは、とても近代的で、ベトナムに来た!という感じはあまりしなかった。
しかし、外に出てくると、モワッとした空気が身体を包み込み、北緯35度の東京から、北緯10度のホーチミンまでやって来たことを感じさせられた。
そして空港出口には、出迎える人たちであふれかえり、ひっきりなしに車が出入りしたり、騒々しいくらいのクラクションが響き渡っていた。ついに、ベトナムにやってきたんだと実感させられた。
この空港は、日本の円借款によって建設されたそうだ。その記念碑が1階にあった。
空港から、まずは、車でホテルに向かう。
車の助手席から、ホーチミンの街を観察。
ウワサには聞いていたが、とにかく、おびただしい数のバイクにビックリ。道路にはどこもかしこも、バイクでいっぱい。
道路には信号機はあまり設置されていないから、どんどん各自が勝手に交差点に突っ込んでくる。それでも、すごい渋滞になることもなく、意外なほど車やバイクの流れはスムーズだ。
信号機には、青か赤の残り秒数が表示され、イライラ感は少ない。
街中では、歩道に椅子を出している人が多く、そこで、ただ人の流れをじっと追っている人や、囲碁か将棋のようなものに興じている人など、やたらと歩道に出ている人が目立った。
歩道が歩道の役目を果たしているところは、あまりなくて、お店や個人宅の前庭みたいな感じになっていた。
ベトナム独特の笠(ノンラーというらしい)を被った人たちの姿を見掛けると、やはりベトナムに来たという思いを強くする。
遠くには、ベトナムで最も高いビルが見えた。
まだ遠くてよく見えないが、ビルの中腹から、なにか飛び出しているように見える。
まるでサルノコシカケのようなあの出っ張りはなんだろう?
ようやくホテルに到着。サイゴン川がよく見えるホテルだった。
現金を使うかもしれない…と、会社の人が代表して両替。そのうちの一部を貸してもらう。
手にしたお金は、なんと、25万ドン…って?
1万ドンが、日本円で40円ちょっとくらいだそうだから、25万ドンは、1000円ちょっと…ということに。