3102 バウハウス・キッチン展

芸術・デザイン

パナソニック電工 汐留ミュージアムで開催中の「バウハウス・テイスト バウハウス・キッチン展」に行ってきた。もともと、おじゃこが行きたいといっていたイベントで、僕がついていく感じだった。

バウハウスは、1919年ドイツで創設された、建築と美術に関する総合的な学校だ。1933年<ナチスによって閉鎖させられたため、実質の活動期間は、わずか14年しかなかったが、その後の現代建築や芸術に、大きな影響を与えたことで知られている。

展示の前半は、バウハウスで学んだ女性たちの写真が多数展示されていた。おそらく展示の半分くらいがそれで占められていて、当時から女性の社会進出が意識されていたことは、とてもよくわかったが、写真ばかり見せられても…といった感じで、軽い違和感を覚えた。

後半になって、ようやく、作品らしい作品が登場する。皿やポットなどの主にキッチン関連の作品が展示されていた。

バウハウスは、「すべての造形活動の最終目的は建築である」という理念のもと、家で暮らす多くの人が、さまざまな面で豊かになるような、現代生活のための家事道具を生み出していった。

これらの作品も、大量生産されることを意識して素材も考え抜いていったと言われている。これにより、良質な商品を安価に手に入れることができるようになると考えたからだ。

そして、今回の展示の目玉コーナーのような場所に到着した。

バウハウスの初代校長、グロピウスが設計した実験住宅のうちの、キッチンと配膳室を再現した展示だ。

なんとここは、事前に許可をもらえば、撮影ができるというので、すぐに許可をもらって、写真を撮ることにした。

左側が配膳室で、右側がキッチン。当時の写真をもとに、原寸大で再現している。


(汐留ミュージアム・バウハウス展、2010年)

キッチンに入る。

極めてシンプル。

余計な装飾は一切ない…といった感じ。



(汐留ミュージアム・バウハウス展、2010年)


(汐留ミュージアム・バウハウス展、2010年)

また収納スペースは非常に多く、また、窓に面した戸棚には、明かり取り用の円い窓が付けられていて、戸棚の中が明るくなるように作られていた。

単純なことだが、こういった配慮からも、機能性を重視した設計が感じ取れるような気がした。

(汐留ミュージアム・バウハウス展、2010年)


(汐留ミュージアム・バウハウス展、2010年)


(汐留ミュージアム・バウハウス展、2010年)

キッチンで作られた料理を、隣の配膳室から持って行ってもらう感じかな?

配膳室に行ってみる。


(汐留ミュージアム・バウハウス展、2010年)


(汐留ミュージアム・バウハウス展、2010年)

ここで、料理を受け取ったり、食べ終わったお皿を洗ったりする。

料理を作るところと、片づけるところが、きっちりと分かれている。シンプルで使いやすそう。掃除もしやすそう。まぁ、これだけ空間にゆとりがあるからできるのかもしれないけど、自分の台所でも参考になりそうなところもあった。

最後のコーナーで、バウハウスの思想を反映させた、テルテン集合団地についても紹介されていた。ここの解説で気になったのは、限られた予算で団地を造ることになったが、そのときの考え方だ。

それは

「自然光が取り入れられしっかりとした換気ができさえすれば最低限の空間こそが人間にとって最も暮らしやすい居住環境である。」

ということだ。本当に必要なモノは何か?いろんなモノに埋もれているけど、実は極めてシンプルな方が、もしかすると、けっこう暮らしやすいのかも…とか、いろんなことを考えさせられた。

Posted by ろん