3103 それを言っちゃおしまいよ
柳田稔法相が辞任した。
その辞任のきっかけとなったのが、自身の法相就任を祝う会だったのは、なんとも皮肉だ。実際にどんなことをいったのか、あらためて見てみると…
法務大臣というのはいいですね。二つ覚えておけばいいですから。「個別の事案についてはお答えを差し控えます」とね。これはいい文句ですよ。これを使う。これがいいんです。分からなかったら、これを言う。(この言い回し)で、大分切り抜けてまいりましたけど、実際の話はしゃべれないもんで。あとは「法と証拠に基づいて適切にやっております」。この二つなんです。何回使ったことか。使うたびに野党からは責められる。「何だそれは。政治家としての答えじゃないじゃないか」。さんざん怒られます。ただ、法務大臣が法を犯してしゃべることはできない。当たり前の話なんですけどね。
たしかに間違いではないし、実際にそうなのだろう…とも思う。地元に帰って、たくさんの人たちから、お祝いの言葉をもらって、つい口が滑った…ということなのだろう。
でも、これを当事者が言ってしまったら、すべてがおしまいなのだ。
逆に、そう聞いてしまったら、根本の問題を追求せざるを得なくなる。
これまで、薄々気になりながらも、流さしていたことが、そうするわけにはいかなくなってしまう。
問題を提起するのはいい。
しかし、そこからどういう方向に向かうべきなのかという方針を考えずに進めれば、それは無責任以外の何物でもなくなってしまう。
尖閣問題も同じだった。
今回の辞任も、そこまでする必要はないという声がないわけではない。しかし、根本的な問題として、無責任に、あとさきを考えない言動が散見されるような人を、閣僚に据えておくと言うことが、果たしていいことがどうかを考えたら、自ずと対応は決まってくる…と思う。