どうぶつ命名案内/石田 戢

■いきもの,龍的図書館

どうぶつ命名案内―犬猫どういう名前つけてるの? どうぶつ命名案内―犬猫どういう名前つけてるの?

社会評論社 2009-04
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タロー、ラッキー、ロッキー、リキ、メリー、リリー、チロ、シロ…

これだけ聞けば、犬の名前だということはわかるが、なんとなく古い感じがする。それもそのはずで、これは、1992年以前に多く付けられた犬の名前なのだ。かつては、コロが他の名前を圧倒。2位のチビと、かなりの差を付けていた。

最近(2004年から2008年にかけての調査)では、マロン、プリン、ソラなど、傾向としては食べ物や自然を使った名前が増えている。ちなみに、一位のチョコと、二位のモモの差はほんのわずかであり、名前が分散化していることがわかる。

一方、猫の名前は、順位に変動はあるものの、チビ、ミー、クロがトップ3だ。ただそれぞれの割合は減っていて、猫の世界でも名前が分散化している。

性別、品種、音節の長さ、頭文字、撥音便や半濁音などの有無、漢字の使用など、徹底的な調査はすごい。ただ、いかんせん、内容が細かくて、読んでいるうちに少し混乱してしまう。

タイトルに、“どうぶつ”とあるが、4分の1が犬猫、さらに4分の1弱がそのほかの動物、残りは多摩動物公園の飼育日誌になっている。著者が多摩動物公園の副園長だったことによると思うが、タイトルとの違いに軽い違和感があった。

ゾウ(圧倒的にハナコが多かった)、チンパンジー(人に使われる名前が多い)、マレーバク(夢にちなんだ名前が多い)など、動物たちよって、命名の傾向がいろいろあって楽しい。

タムタム、トムトムは、日本に初めてやってきたコアラのうち、多摩動物公園やって来た2頭のの名前。なつかしい。

多摩動物公園のライオンは、なぜか伝統的に幹部職員の名前が付いているらしい。