「社会調査」のウソ/谷岡 一郎
「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ 谷岡 一郎 文藝春秋 2000-06 |
新聞や雑誌、インターネットでも、アンケートや社会調査を見かけない日はないくらい、たくさんの社会調査が行われ、発表されている。
しかしその精度はどうか?どれだけ正確なのか?
そういったアンケートや社会調査というものが、実は、非常にずさんなものが多いということを実例を挙げて指摘する。これが非常に興味深い。多くの場合、その調査をする人や団体は、ある目的や仮説を持って調査しているが、その仮説に沿うような結果が出るような、調査のされ方を目の当たりにすることができる。
調査する対象を特定したり、質問の仕方も結果的に誘導尋問的に行えば、思うように結論を導くことができてしまう。そういった結論が誤っていたとして、仮にそれが修正されたとしても、誤った結論の方が一人歩きするケースもある。
アンケートや社会調査の信憑性を改めて考えさせられる一冊。読み終わると、新聞の見方が変わってくること請け合い。
(★★★★★)