団地の見究/大山 顕
団地の見究 大山 顕 東京書籍 2008-03-28 |
ひたすら、あちこちの団地の正面写真ばかりを集めた写真集。
団地の特徴的な点を「FORM」、「TEXTURE」、「COLOR」の大きく3つに分類、右ページに正面写真、左ページにイラストで鑑賞ポイントを懇切丁寧に紹介する形式で、ひとつの物件を見開き2ページで紹介している。
右ページの写真はすべて「4×5(シノゴ)とよばれる大判のカメラで撮影した、無駄にクオリティの高いというだけあって、写真はとてもきれい。団地をここまで品質の高い写真で見るのは初めてだ。
左ページの解説には、著者のコメントや見究のポイントなどが書かれている。団地の特性を6つの指標(ダンディ、交通の便、成熟度、コーヒー、階数、連続性)のチャートで表現や、アイコンでみどころの表示しているが、どこまで本気で書かれているかわからない微妙さは、独特な読み応えがある。まえがきに書かれているように、“思い切りふざけていて”面白い。
これほどの作品が趣味の一環で作られたというのだから、趣味もここまで徹底するとすごいのひとことに尽きる。まえがきによれば、きっかけらしいきっかけはなく、あるときふと「団地をカタログのように撮ったら面白いんじゃないだろうか」ということで始まったらしい。
まえがきに書かれていた…
この本を見終わった翌日、見慣れたはずの車窓からの風景の中にいままで気付かなかった団地の姿を発見してしまったら、ぼくらの勝ちです。
僕は負けかもしれない。