女子鉄／女子鉄制作委員会
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女子鉄 (MARBLE BOOKS)
マーブルトロン 2007-12 |
これまで“鉄道好き”と公言するのは、なんとなくはばかられてきた感がある。それは、とりもなおさず、鉄道を趣味にしている者のほとんどが男性であり、しかも彼らは、遠くから見ても一目でわかるほど、独特な空気を醸しだし、近寄りがたい存在であったからに他ならない。僕自身、彼等とは一線を画しているつもりだったが、傍目から見たら、きっと同じように見られていることだろう。
それくらい鉄道趣味というのは、少々特殊なジャンルであった。
しかし近年、鉄道趣味に関する雰囲気が明らかに変わってきた。男性ばかりだった鉄道趣味世界に、女性が進出してきたのだ。いや正確に言えば、女性のなかに「鉄道好き」と“カミングアウト”する人が増えてきたのだ。
以前紹介した「女子と鉄道」は、ある女性の鉄道に対する思いをつづったエッセー集だったが、本書は鉄道好きの女性が、鉄道の楽しみをより多くの人に知ってもらいたいということで、鉄道旅の提案やグッズ、ファッションといった盛りだくさんの内容で、その思いが伝わってくるようだった。写真も多いものの、文章の文字が比較的小さく盛りだくさんのため読み応えはあるはあるが、鉄道に関する本を初めて読むという人にとっては、ちょっと敷居が高いかも。逆にもともと鉄道好きという人にとっては、これまでにない視点で書かれた内容なので、新鮮で間違いなく楽しめそう。