東急電車物語/宮田 道一
東急電車物語 宮田 道一 多摩川新聞社 1995-11 |
大手私鉄のひとつ、東京急行電鉄(東急)の歴史のなかで、特に鉄道車両を中心にまとめられている本。東急には1000両を超えるさまざまな車両が存在するが、それらが登場した背景が詳しく紹介されていて、担当者の苦労が垣間見える。
その中で、印象深かった話をひとつ。
終戦戦後の混乱期。電車そのもの数が極度に不足したため、国鉄(当時の鉄道省=省電)から車両を譲り受けた際の話。
ええ。東急に比べて省電の車両の幅が広いんですよ。それで、あちこちの駅のホームでぶつかるんで、だいぶ苦労しました。
(中略)
いまでも覚えているのは、田園調布の駅でホームとの隙間ができるように、どうにか工夫してホームをやっと通り過ぎたと思ったところに、今度は下水管が出ていまして、私もそこまで気付かなかったので、それを壊してしまったりしました。
いまでは考えられないくらいの大らかさ?にびっくりした。
もう発売されてから10年近く経っているので、ぜひその後の経過を含めた続編が見てみたい。
(2006.6.18) 【★★★☆☆】 -06/06/18更新