これ、誰がデザインしたの?/渡部 千春
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これ、誰がデザインしたの? 渡部 千春 『デザインの現場』編集部 美術出版社 2004-09-16 |
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続・これ、誰がデザインしたの? 渡部 千春 『デザインの現場』編集部 美術出版社 2008-06-16 |
どんなに社会に関わらない生活(引きこもり??)を送ったとしても、決してデザインと無縁ではいられない。
間違いなく、デザインに囲まれた生活をしているのだ。
身の回りの商品、パッケージ、ロゴといったデザインが、どういった経緯で登場し、そのデザインの狙いや意味などが紹介されている。
図書館で最初に借りたのは続編のほうだったので、あとから先に刊行された本も借りて読んだ。
歯ブラシ、乾電池から、百貨店の包装紙、パスポート、公衆電話、初期の携帯電話、Pasmo、はては、奥付に載ってるような出版社のマークや、週刊新潮のタイトルといった、デザインの観点から、あまり取り上げられないようなものまで、何もかもが興味深い。
本書で紹介されている企業のなかには、すでに消滅していたり、さらにリニューアルしてデザインが変わっていたりして、時代の流れの速さを実感させられる。
ちなみに、Pasmoは、カードデザインについての紹介はあったが、Pasmoロボットについての記述はなかった。
MONO消しゴムは、もともと1ダース購入者向けのノベルティ用に作られたものの、よく消えると評判になり、単体でも売られるようになった…といった、デザインの話とは直接関係ない裏話も楽しい。
紹介されていた、歴代のキャンバスノート…。全部使ったことがある。指摘されて気づく。リニューアルを意識させない? 嫌われないデザインを心掛けるらしい。
台所用洗剤のパッケージの変化は激しく1年に1度のペースで変わっている。
横断的に登場するデザイナーが多いので、ぜひ、索引をつけて欲しかった。
たとえば…
松永真…スコッティティシュー、UNO(整髪料)、ブレンディ、カゴメ、カルビー
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永井一正…三菱東京UFJ銀行、アサヒビール、東京電力
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田中一光…Top★s 西武百貨店の包装紙、本書に載ってないけど、つくば科学万博のシンボルマーク
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…などが紹介されているが、最初にちょっとだけ紹介されているだけで、以降は名前だけの登場で、「同じ人がデザインした」ということが気づきにくい。
そういうことに気づくようになると、見慣れたデザインが、少し違って見えてくる。
本書のタイトル通り、もうちょっとデザイナーに焦点を当ててもいいかなとも思った。