2390 早春の東伊豆(前編)/アルマジロにぬくもりを感じる
JR東日本の企画で、「河津桜まつりと稲取雛のつるし飾りまつり」という日帰り旅行に出掛けてきた。パッケージ旅行だが、往復の列車と昼食をとる伊豆バイオパークへの入場以外は、おおざっぱな行程しか決まっていないので、限りなく自由行動に近い。
当初計画していた東京駅7時30分発の列車「リゾート踊り子81号」は、全席指定ですでに空席なしだったので、やむを得ず30分遅い8時ちょうど発「踊り子」103号の自由席のある列車で行くことになった。ただこの列車は10両編成のうち、自由席車両はわずか2両。東京駅には30分以上早く到着したのに、すでに想像以上の長蛇の列ができていた。
7時53分に入線。扉が開いた瞬間、椅子取りゲームのようにあっという間に席が埋まったが、なんとか無事に座ることができた。ただ海のよく見える進行方向左側ではなく右側だったということと、座った席から見える視界を遮る窓枠が目の前にあったことは、ちょっと残念だった。
行列はホームの端まで |
185系の造作の悪さを感じてしまう |
混雑は駅に止まるたびにひどくなっていって、自由席車両は、座れない人たちが通路にあふれていた。
今回はなんとか座れたものの、混雑が予想される時には、できるだけ早く現地に向かっておかなければならないということを学ぶ。
10時23分。定刻通り、伊豆稲取駅に到着。
ここからは路線バスで、最初の目的地である、伊豆バイオパークを目指す。
所要時間は10分ちょっと。バスの運賃は旅行代金に含まれてないので、別に支払う。乗車時間が短い割に、290円という運賃は、ちょっと高めに感じた。
もうすぐ11時になるところ。すでに午前9時に開園というのに、お客さんの姿はあまりなく、閑散として少々寂しい感じ。まず園内にはいると、サファリバスなるバスに乗って、バスのなかから動物を観察するようになっている。
料金は300円。これに乗らないと、動物とのふれあうことのできる「アニマルゾーン」までは、かなり遠回りして歩かされることになる。今回の旅行代金には含まれているものの、ほぼ乗ることが必須となっている感じだった。
アニマルゾーンでは、動物たちに餌を与えることができる。スティック上にに切られたニンジン3本100円。これが妙に面白い。なんだか美味しそうに食べてくれるので、なんだか嬉しくなってしまう。
これまでは柵越しにニンジンを与えるだけだったが、直接動物に触れることができる場所もある。動物とふれあうにも、別途100円。なんだか少しずつお金を徴収されてる。
ここには、モルモットやうさぎといった比較的身近な動物をはじめ、カピバラ、アルマジロ、ハリネズミといった、これまであまりふれあったことのないような動物たちもいて、楽しくなってきた。
まずはカピバラ。地球上で最大のねずみ(齧歯目)。1m近くはあるだろうか。これがねずみかと思うと、不思議な気分。あまり触られたくはないようで、そんなにすばしっこくはないものの、大きいだけに急に動くと、ドキッとする。毛はあまり柔らかくはなく、毛足の長いたわしみたい。皮膚は油っぽい感じで、水をはじくようになっているのかもしれない。
こんな顔をした人もいる |
ダミーとの比較 |
ハリネズミを触るなんてはじめてだった。怒った時は、針を逆立てるらしいが、いまは落ち着いていたようで、意外とおとなしく、触り心地も悪くなかった。
調べてみると、結構ペットとしても飼われているようだ。
今回、もっとも気になったのは、このアルマジロ。
巨大なダンゴムシのような物体が、音もなく移動している様は、不気味でもありユーモラスでもあった。気になる背中は見た目どおり固いのだけど、触って持ち上げてみると、とても暖かい。皮膚が変化したものと聞いたことがあるが、まさにその通りなのだと思った。
ダミーとの比較 |
持ち上げてみる |
ひっくり返してみる |
来園客が多くない分、落ち着いてみることができた。
このあと園内で昼食をとり、再び稲取の駅に向かう。
つづく。