7338 川口駅への宇都宮線・高崎線停車
川口駅への東北本線(宇都宮線・高崎線・上野東京ライン)停車が現実のものになりそうだ。
JR東日本が川口駅に宇都宮線・高崎線を停車させる代わりに、川口市が新駅舎やホームの建設費用を負担する方針らしい。
以前から川口市から強い要望が出されていたものの、宇都宮線には川口駅のすぐ隣に赤羽駅があり、中距離輸送を担う役割にそぐわないため、JR東日本も、前向きではなかったはずだ。
しかし、ここ最近のJR東日本は、遠距離よりも近距離輸送への優遇を強めていて、整合性は取れる気がする。
わかりやすい例で言えば、朝晩の京葉線がそうだし、他にも、東海道線、埼京線、宇都宮線でも、快速が一部もしくはすべて廃止され、遠距離客の利便性は損なわれていく一方だ。
空いた列車を遠くまで走らせたところで利益はたかが知れている。
それよりも近くでたくさん乗ってもらい、エキナカで買い物をしてもらうほうが効率よく稼げると判断しているのだろう。
快速を廃止して普通列車にしてしまえば、運転本数は減らせるし、もし事故等のトラブルがあっても復旧は楽だし、JR東日本にとってデメリットはほとんどない。
一方、快速を利用してきた遠距離客にとって、代替手段や対抗手段があるわけもなく、普通列車で我慢するしか選択肢はない。
宇都宮線・高崎線の川口駅停車も同じようなもので、浦和大宮以北に“犠牲”を強いることで実現する。
遠距離から川口に向かう需要がないのに川口駅に停車する意味がないのは明白だが、JR東日本にとっては、ホーム新設費用を川口市が全額負担してもらえるのであれば、反対する理由はないのだ。
伝えられる記事で気になったのは、JR東日本からホームの増設や周辺整備にかかる概算事業費として示された3つの案の内容だった。
① 既存デッキの活用と屋根なしが389億円
② デッキの拡幅を含めて屋根ありが420億円
③ 自由通路を作る案が431億円
もっとも、川口駅の乗降客数は1日14万人を超えていて、埼玉県内のJR駅では大宮・浦和両駅に次ぐ規模はあるので、そこに屋根なしのホームなんてちょっとあり得ないだろうが、一応”案”として挙げてみた…ってところだろうか。
川口駅利用者とJR東日本だけに意味のある川口駅への宇都宮線・高崎線停車は、実現するとしても10年以上先とのことだが、そのころの状況はどうなっているのだろう?