7288 豊洲市場マグロのせり見学
ちょっと前に豊洲市場に行ったときに、早朝のせりの見学ができることを思い出した。
ほんのちょっととはいえ、かつての築地と違って豊洲は遠いのだろう…近くを通るということがないので、あえて意識しないと、つい忘れてしまう。
せりの見学は、毎月上旬に翌月の日程を申し込むがその場で日程が決まるわけではなく、抽選結果を待つというやり方。
今回は第一希望が通って、今日となった。
豊洲市場の集合時刻は5時30分は、新橋駅前を発車する始発の都営バスに乗れば何とか間に合うというギリギリさ。
乗り場にやってきたときには、けっこうな行列ができていた。
「市場前駅前」という停留所で降りるが、意外とここで降りる人は少なく、乗っていた人たちは、豊洲市場への通勤客ばかりだったようだ。集合場所までは少し距離があるので小走りで。
今日見学する人たちは集合していたみたいで、なんと自分が最後だった。
そして、さらに驚くことに、今回は日本人は自分ひとりだった。
ということですべて英語での解説されるなか、日本人は自分だけなので、解説は結果的に”マンツーマン”となった。
この方は、以前は、大田の青果市場のせりに長く携わっていたそうだ。
マグロではないけど、だから野菜や果物の名前が、まるで湧き出すようにポンポンと出てくるところは、さすがと思った。
ちなみに、買い手が品物の値段や数量を示すことを“手やり”というが、これは水産と青果は共通なのだそうだ。
その、手やりには、千とか万の表現が存在しない理由は、せりにおいては、そこにかかわる人たちは全員、商品の値段の認識があるからだそうだ。
少しでもやり取りを減らす工夫だろう。
そして、せりなどの取引においては、とにかく、人と人とのつながりが大事だと言われていた。
特に、せり人とどれだけ仲良くできるかが鍵だそうで、現在では、コンプライアンス的にどうだろう…いや、間違いなくアウトだろう…という内容もふんだんにあって、おもしろかった。
せりが終わった場所からは、マグロが運び出されていく。
どんどん変化していくから、観ていて楽しい。
それにしても、驚くのは、外国人の関心の高さだ。
今日は極端だったらしいが、見学者の割合の傾向としては外国人のほうが多いという。
朝食はやはり豊洲市場で食べたい。けど、朝から3000円とか4000円といった値段を出すのもちょっと…ってことで、1150円のんまぐろなか落ち丼をいただく。
そういえば、これまで青果棟のほうに行ったことがなかったなぁ…ということに気づき、こちらにも寄ってみる。
青果にちなんだ色に塗られたカラフルな柱の並ぶ長い通路を歩いて、見学場所へ。
自分たちの食べ物が、こうしてたくさんの人たちを経てやってくるということは、これまで知識として持っていたことでも、こうして直接、目の前で体感できると、より市場を身近に感じられて、とても楽しく、貴重な経験ができた気がする。