7181 海外への修学旅行に行くにあたって学んでほしいこと

東京都港区のすべての区立中学校3年生の修学旅行の行き先をシンガポールとすることがニュースになっていた。
すべての公立中で海外への修学旅行を行う自治体は珍しいという。
そりゃそうだ。自己負担7万円で、区の負担は実に1人当たり約67万円となるらしい。
区の狙いとして「異文化を直接体験して国際理解を深めてもらうことで国際人を育成するほか、区立中のさらなる魅力向上につなげていく」という。
もちろん、これはこれで意味のあることだとは思う。
ただ、参加する中学生には、この機会に、区の狙いと同時に、ぜひ「なぜ自分たちの修学旅行先として海外に行けるのか?」ということをしっかりと教えてほしいと思う。
たまたま自分たちが住んでいる区の税収が極めて良いのが理由であって、これが決して“当たり前のこと”ではないと、きちんと教えてほしい。
中学生くらいでは、まだまだ、世の中のことは知らない。
身の回りで起きていることは、日本の常識とすら思ってしまうことだってあるだろう。
だからこその、海外への修学旅行なのだろうが、それとは別に、そもそも、こうした、ある種の“格差”があるのだということを学ぶ格好の機会ではないだろうかと思う。