ときめく雲図鑑/菊池 真以

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ときめく雲図鑑
菊池 真以
‎ 山と渓谷社 (2020/8/5)

さまざまな雲の紹介に加えて、冒頭の雲全般に関する話題がとても興味深くて良かった。

かつて、正岡子規が「春雲は絮(わた)のごとく、夏雲は岩のごとく、秋雲は砂のごとく、冬雲は鉛のごとく」と表現したとあったが、不勉強で知らなかった。

季節の変化を雲で知るということを見事に表現してると思った。

現在に続く雲の分類は、1802年ロンドンのアマチュアの科学者が発表したものが元になっているということも初めて知った。

続いて、それが由来となっている世界気象機関が分類した10種を紹介している。

・巻雲(すじ雲)
・巻積雲(うろこ雲)
・巻層雲(うす雲)
・高積雲(ひつじ雲)
・高層雲(おぼろ雲)
・乱層雲(あま雲)
・層積雲(うね雲)
・層雲(きり雲)
・積雲(わた雲)
・積乱雲(にゅうどう雲)

この雲の名前…漢字の組み合わせが、そのまま雲ができる高さや形など雲の特徴となっている。

巻…上層の空にできる雲
高…中層の空にできる雲
乱…雨を降らせる雲
層…広がりのある、層状の雲
積…丸かったり、積み重なったり塊状の雲

よくできてるなぁ…と感心してしまった。これを意識しながら、雲を見るとより理解が進みそうだ。

“図鑑”については、基本10種とさらに細分化した雲をひとつひとつ丁寧に紹介。

季節ごとに見られる雲、撮影のコツや、飛行機から見たときの雲話などもりだくさん。

けっこうボリュームのある内容 にもかかわらず、120ページほどのコンパクトな本だが、オールカラーでとても読みやすかった。

Posted by ろん