7009 ノリタケの森
おじゃこの行きたいところに付き合った感が大きいが、今回は行ったことのない場所ばかりだから、いろいろ興味を持って巡ることができた。
名古屋に着いて向かったのは「ノリタケの森」。
その名の通り、ノリタケの工場だった敷地を、公園、博物館、ショップなどの複合施設として再整備した場所で、2001年にオープンしたという。
名古屋は何度も来ていたが、ここは初めて。
1階と2階は、ボーンチャイナの製造過程を見学できる工場になっている。
ガラス越しに職人の皆さんが作ってる様子を、実際に見ることができる。
完全な流れ作業になっているが、これってローテーションみたいなことがおこなわれるのだろうか?
そして、3階と4階が、ノリタケの歴史と創業から今日に至るまで作られた、さまざまな製品を紹介するミュージアムになっている。
クラフトセンターは一切の撮影は禁止だが、ミュージアムのほうはすべて撮影可能だ。
パッと見た感じはかなりおとなしめのデザインに感じたが、純白で形良く焼き上げるために、実に20年の歳月を掛けたという。
このデザインをした里見宗次という名前を見て「あれ?」と思った。
調べてみると、以前、別の企画展を見に行ったときに展示していた、かつての鉄道省が外国人観光客誘致のために作成したポスターをデザインした人と同じだった。
また、アメリカ人の好みのデザインを取り入れるために、アメリカに絵師たちを滞在させて現地の流行をデザイン画に反映させ、日本に送り、それを製品に反映させていたという。
平面をこうした立体の製品にする技術はすごい。
「これってなに?どうやって使うの?ちょっとふしぎな陶磁器たち」という、小さな企画展も開催されていた。
デザイン画から製品を作ってきたように、ノリタケはこれまで輸出のための製品を多く製造してきた。
この企画展では、日本ではあまり見慣れない輸出向けの特別な用途を持つ製品や、国内での戦後の物資不足を補うため陶磁器を用いた器具などを紹介している。
企画展のチラシに用いられているピンクのボウルは、剣山やオアシスの代わりに用いるもので、人魚が抱えている穴の開いたところに花を挿すのだという。
日本向けには、火鉢やガスコンロなどもあり、火鉢はベストセラーになったそうだ。