6888 皆既月食+天王星食
今夜は皆既月食と天王星食が同時に起こるという天体現象が起きる日だ。
皆既月食中に惑星食が起きることは極めて珍しく、1580年7月以来約442年ぶり、そして次回は322年後の2344年…ということが、ニュース的に話題になったようで、テレビやネットでも多数取り上げられていた。
ただ、天王星はかなり暗く肉眼で見ることは難しいのに、〇〇年ぶり…と言われて視聴者を煽るのもどうなんだろう…とは思ってしまった。
夕方少し雲が出ていたものの、皆既月食が始まるころまでにはすっかり雲が消えて、絶好の観測日和となった。
ちなみに写真は天体望遠鏡を使って撮影しているために上下が反転してる。


18時過ぎくらいから月食が始まり、19時過ぎになると皆既月食らしい美しい赤胴色になった。
そして嬉しいことに、天王星もしっかりと見えたのだ。
まさかこれほどはっきり見えるとは思わなかったので、ちょっと興奮気味。


ただ、前述の通り、天王星はかなり暗くて写真に撮ろうと思っても、ブレがちだ。
それでも、東京都内でもこうして、天王星の存在をはっきりと見られて、なんとか、”光の点”としてはそれなりに捉えることができたのはよかった。
皆既月食の時間中は、あちこちから人の声が聞こえてきて、空を見上げている様子が分かった。
みんなで空を見上げるというのは、なんだかちょっと素敵な感じがする。
1時間半近く続いた皆既月食が終わる直前に、天王星が月に隠れる現象が始まった。
まぁ地味と言えば地味な現象ではあるけれど…。
皆既月食が終わって、少しずつ月が明るくなってくる。
いつもの月に戻る途中で、ふたたび天王星が出てきた。
天王星食の終了だ。


月食中に近づいてきたときの天王星はよく見えたが、明るさを増した月に対しては天王星はきわめて暗く、あっという間に見えなくなってしまった。
もしかすると、もう天王星を見るチャンスはほとんどないかもしれない。

どんなに珍しい天体現象が起きるといっても、天気や自分自身の状況はコントロールしづらいことが多い。
それだけに、今回は想像以上によく見えたのでとても嬉しく楽しかった。