3520 金星の太陽面通過
一時は諦めかけた、金星の太陽面通過の観測。
僅かな光に望みを託し、望遠鏡をセット。
雲の隙間から太陽が見えるのを待った。
ほどなくして、薄い雲を通して、太陽の形がはっきり分かった。
すぐさま望遠鏡を覗いてみる。
見えた!
とりあえず、見えたことでも嬉しかったが、やっぱり写真にも撮りたい。
しかし、雲の動きが速く、まったく、うまく撮れないのだ。
こうなると、さらに欲が出てくる。
もうちょっとうまく撮りたい。
太陽の光が、一瞬強くなったので、太陽観測用のフィルムを付けて、ふたたび、何度か挑戦したら…
こうなると、さらに欲が出てくるもので、もうちょっと撮ってみたくなる。
雲の隙間が大きくなってきた。
太陽の光が強くなれば、よりアップの写真が撮れる。
そして…
なかなか、ちゃんと撮れたので、本当に嬉しかった。
しばらく見ているうちに、確実に金星が動いていることも分かる。
とてもラッキーだったなかで、ちょっと残念だったことが、2つある。
撮影はカメラを固定できず手持ちだったことで、太陽の上下が定まらず、写真によって回転してしまっているということ。
そしてもうひとつは、この写真を撮った直後、ふたたび太陽は厚い雲に隠れてしまい、最後まで見ることができなかったということだった。
一部とは言え、金星の太陽面通過を観測できたことは、先日の金環日食と合わせて、僕の一生の思い出になると思う。