6787 歌枕 あなたの知らない心の風景

博物館・展覧会,芸術・デザイン

歌枕 あなたの知らない心の風景
歌枕 あなたの知らない心の風景

サントリー美術館で開催中の企画展「歌枕 あなたの知らない心の風景」を鑑賞してきた。

そもそも「歌枕」という言葉…ただ聞いたことがあるようなレベルで、さっぱりわからなかった。

「歌枕」とは歌の表現方法のひとつだそうで、和歌に詠まれた名所や地名を指すという。

長らく和歌で詠まれてきた、吉野=桜、龍田=楓といった結びつきが、実際にそこに行ったことがなくても想像できる、想像上の名所というか、”お約束”みたいなもの…と考えればいいだろうか。

今回の企画展は、テーマの性質上、絵よりも文字が中心という感じで、正直あまりとっつきやすい内容ではなかったが、数百年も昔から多く人たちによって、歌枕が伝承されてきた背景や歴史などはなんとなくわかった。

それにしても、考えに考えを重ねて和歌が作られ、それに基づいた絵巻や屏風が作られる…こうした作品を作る人たちは、いったいどういう気持ちで携わっているのだろう…と思ってしまった。

こちらだけ撮影可能
こちらだけ撮影可能

現代みたいに、調べればすぐに検索して出てくる時代ではなく、限られた情報だけで、よくこうした”お約束”を理解できるなぁ…と感心してしまう。

大変な思いをして作品を作るモチベーションは、いったいなんだったのだろう…と、ちょっと展示されている内容から外れたことが気になってしまった。

ここ最近のサントリー美術館の展示では、1点だけ撮影可能な作品がある。

今回は「小倉山蒔絵硯箱」という作品が撮影可能だった。

小倉山蒔絵硯箱
小倉山蒔絵硯箱
施された装飾から何を感じるか…
小倉山蒔絵硯箱施された装飾から何を感じるか…
解説にはこんなことが書かれていた。

蓋表には洛西の歌枕・小倉山を描く。 ただし、小倉山の景物である鹿がおらず、 むしろ木々が風に吹かれる様子から、嵐 が詠まれた嵐山とする説もある。 見込に は紅葉とで名高い大堰川が描かれて いるが、この川を挟む二つの山のどちら が主題か、見る者の教響が試される作品 といえる。

これは、試されてる…。

けど、ちっともわからなかった。

Posted by ろん