[社会の窓]ジェンダー
先日の一件で、あらためて、性差別のことを意識するきっかけになったという人は少なくないと思う。
もちろん、あの発言はいかにもおかしいのだけど、その後の釈明会見や組織委員会会長辞任会見を見ても、本人が問題を意識しているようには見えなかった。
こういうことからも、それだけ根が深い問題であるということがわかるとともに、もしそれを自分に置き換えてみたら、この問題の難しさを実感することができると思う。
この問題が深刻なのは、こうした発言や考えを持つ人に悪気がないからだ。
だから、何が悪いのかがわからない。
もちろん、これは自分自身のことも含めて…だ。
もっと考えを突き詰めていくと、何が正しくて何が間違っているかなんてこともわからなくなってくる。
先日の発言は明らかに間違っていると感じたが、表現の仕方によっては、受け取られ方も変わってくるわけで、その境界線は意外と曖昧なんじゃないかと思えてくる。
今日出掛けた先で、「ALL GENDER」と書かれたトイレがあった。
こういうときに「ジェンダー」っていう言葉を使うの?という、ちょっと新鮮な驚きがあった。

その隣には、「WOMAN」書かれたトイレがあったから、僕はこちらを使うんだな…と思ったが、ふと、「ジェンダー」という言葉の意味を理解してるかどうか不安になった。
検索してみたら、性別は、一般的に男性と女性に分かれるが、それはあくまで生物学上の話であり、社会的・文化的な役割としての男女の性とは別であるという考え方があって、それを「ジェンダー」というそうだ。
きっと、これからこの言葉を意識する機会が増えるだろうな…と思った。