5012 ジャンガリアンハムスター”きょろ”と過ごした日々
きょろとの出会いは、ペットショップだった。
最初の奇遇は、きょろは、店で入荷したその日に、自分たちに買われたということ。
とにかく元気なハムスターで、捕まえようものなら、飛び跳ねて逃げまわるくらい。
ちゃんと慣れてくれるのか心配になるほど。
ハムスターには、それぞれ強い個性があるので、少しずつ、きょろの性格を知るように務めた。
すっかり、我が家での生活に慣れたようだ。
ただ元気すぎて、なかなか写真に収まらない。
動きが早く、どうしても画面がぶれてしまうので、ピントが合った写真を取るのは至難の業だった。
これまでのハムスターと比べると、かなり自己アピールがかなり多い。
ケージを梯子のようにつたい、するすると上がっていって…
ついに脱走…
まぁ脱走したところで、どうなるものでもないのだけど…。
ハムスターは、元気が余りすぎると、雲梯(うんてい)を始める傾向があるが、きょろも同じだった。
脱走癖と、こうした危険行為の防止などのため、鉄枠のケージをやめて、衣装ケースを改造したケージに変更した。
その後表れたきょろの性格や特徴はこんな感じだ。
- 目が合うとやってきては、二本足で立ったり、ジャンプしてアピール
- 滑車(回し車)は全速力では走らず、流すように長時間走る
- どのハムスターも例外なく好きだったヨーグルトが嫌い
- 焼きたての食パンが好き(古い食パンはすぐに放り投げる)
- 持ち上げて掌の上でひっくり返すと、口の周りの毛繕いを始める
とにかく元気なので、新たな砂場を用意もした。
脚を痛めてるかもしれない…ということで、砂場にバリアフリーの踏み台を設けたが…
踏み台が段ボール製だったことが悪かったんだろう。
たった1周間で、破壊されてしまう。
投薬が効いたのか、脚の不具合もなくなってきたようだった。
とりあえず、砂場の高さ自体を低くすることで、踏み台はやめてしまった。
一度、通院してしばらく薬を飲んでいたら、すっかり元気を取り戻した。
久しぶりに使った床暖房の恩恵を一番に受けたのは、きょろだった…なんてこともあった。
ときどき、ちょっとぎこちなく走っていた滑車(回し車)も、以前と同様、全力ではなく、軽くランニングするかのような感じで、流すように走る姿が見られるようになった。
しかし、7月に入り、急に元気がなくなり、滑車(回し車)も回さなくなったので、ふたたび病院へ連れて行く。
加齢で脚の関節を痛めている可能性もあるということで、滑車(回し車)を取り外し、ケージ内の段差をできるだけなくした。
ずっと40~42gあった体重は、8月8日を境に1日1gずつ減っていった。
そして、8月17日。ついに体重は、26gとなってしまう。
それでも、朝は動きまわろうとしていたが、さすがに、もう限界だったのだろう。
わずか2年ちょっとの生涯を閉じた。
最後の奇遇は、きょろが亡くなった日は、僕の誕生日だったということ。
きょろのいなくなったケージには、きょろの部屋の置いてあった場所の空き地に加えて、ついさっきまで、きょろが過ごしていた場所に凹みが残っていて、また涙を誘うのだった。
きょろに、毎朝あげていた食パンの耳。
亡くなって3日経つのに、つい切り取って用意してしまう。
たった2年間の付き合いしかできなかったけど、いままでいなかった独特の個性を持つ子であった。