4603 軽減税率導入…らしい
増税は困るが、歳出が適切になされているのであれば、致し方ないとは思う。
消費税10%への増税が決まっているなかで、軽減税率を採用するかどうかが議論の焦点になっていたが、どうやら本格的に導入が決まったらしい。
もともと、消費税は、低所得者ほど収入に対する食料品などの生活必需品などを購入する割合が高くなり、高所得者よりも税負担が大きくなってしまう「逆進性」の問題が指摘されている。
そうした消費税の逆進性…低所得者層向けに配慮して導入が計画されたのが、軽減税率だ。
軽減税率は、海外では一般的らしいし、こういった施策も必要かな…と、以前は思っていたのだけど、いろいろと調べてみると、この軽減税率は、かなり問題があることがわかった。
軽減税率が導入されると、高所得者も低所得者も同じ割合で、税が免除される。
少ない食費しか支払えない低所得者よりも、高い食費を支払う高所得者のほうが恩恵が大きい。
つまり、高所得者に有利なのだ。
むしろ軽減税率なんてしないで、高所得者にはそれなりの負担をしてもらうことのほうが、税収が上がるはず。
そしてその税収を、必要に応じて低所得者に絞って配分すればいいのだ。
それなのに、問題のある軽減税率が導入される一方で、低所得者向けに想定していた「総合合算」が見送られたという点が大きな問題だと思う。
医療や介護などの自己負担額に世帯当たりの上限を設け、それ以上の支出を強いない、総合合算こそが、低所得者に向けに想定していた仕組みだった。
それなのに、効果の薄い軽減税率を導入するために、こともあろうに、肝心の総合合算を財源にしてしまうというのはどうかしている。
見せ掛けだけの軽減策なんて、いらない。