4308 いずれなくなり、いずれ終わる
先日、久しぶりに新橋駅前を歩いていたら、かねてより解体工事が進められていた、堤第一ビルが、完全に姿を消していたことに気づいた。
寂しいことだけど、こうした変化も、記録として残しておこうと思って、やってきた。

完全な更地になったのはいつくらいからだろう?
仮囲いの中を見たら、地下階へ向かう階段の穴がぽっかりと空き、大きな水たまりがあった。
そして、堤第一ビルがあった場所だけは、土台のコンクリートのかたまりが残されていた。基礎が強固で崩せなかったのだろうか?

ここにあったビルの存在に気が付いたのは、去年の12月だった。

それからちょうど1年。
ビルは跡形もなく消えた。
もちろん、ただ残って欲しいと思っていただけだし、なにか行動を起こしたわけでもないから、消えてしまうのは、不思議でも何でもない。
でも、消えたビルを見ていたら、いろいろ考えてしまった。
どんな物事もすべていずれは、なくなってしまうし、終わってしまうものなんだなぁ…と。
このビルみたいにあっけなくなくなってしまうことが多いなかで、「残って欲しい」とか、「変わらずにいて欲しい」という希望が現実となるときも、あることはある。
けれどそれは、「叶った」と誤解するだけで、実は終わるまでのひとつの過程に過ぎないんじゃないか…と思えてくるのだ。
いずれなくなり、いずれ終わる。
それを運命というのかもしれないが、そうした運命に対して、どう向き合っていくか?
なくなる前、終わる前に覚悟を決めておく必要があるのかもしれない。
2014年も、もうそろそろ終わるし…。