4307 誰も幸せになれない数量限定
東京駅開業100周年記念Suicaの購入希望者が殺到し、その後販売が中止された騒動は、そろそろ「数量限定」という販売方法のあり方を見直す時期に来ているんじゃないかと思った。
実は、この騒動の前日に東京駅に行ったのだけど、このときは、まだ平穏な状況だったので、事態は急速に悪化したのだろう。

こうした状況の変化にJR側が対応しきれなかったということと、最近の購入希望者が変化しつつあるという状況を甘く見ていた気がする。
かつて、僕も記念Suicaを買うために何度か行列に並んだこともある。
たしかに、そのころもすごい行列になっていたものの、いたって穏やかだった気がする。
しかし、鉄道関係に限らないが、最近の数量限定商品の販売において、明らかに転売目的と思われる客が目に付くようになってきた。
販売者にとって、彼らは招かざる客のはずなのだけど、往々にして対応がおろそかになっている感がある。
かつてのような、ある程度の秩序が保たれている状況においてであれば問題はなかったのだろうが、招かざる客の大量出現で状況は変わってきたのだ
さらに言えば、こういった状況下で、そもそも、なぜ「数量限定」なのか?という疑問がわいてくる。
たとえば、生産能力に限界があるとか、天然で珍しい…といった類であればともかく、単に印刷枚数を調整するだけの「限定」である。
オークションではなく販売価格は一定で販売数量も決まっているわけだから、手間の割には、実は、販売側にとっては、それほど旨みはないように思える。
買いたい人が買えない、売る側もそれほど旨みがないんじゃ、誰にとって幸せなのだろうか?
こうした状況を見ていると、何のための「数量限定」なのか?…と、考えてしまう。
どうしても"プレミア感"を出したのであれば、期間限定にすればいいのだ。
誰も幸せになれない数量限定なんていらない。