3898 極端にテンポの異なる2本のドラマ

芸能・メディア・広告

今クールで見始めた2つのテレビドラマ…「Oh,My Dad!!」と「半沢直樹」。

数話視聴した段階で、前者は視聴を止め、後者は次週を楽しみにする…という決定的な差がついてしまった。

まず、織田裕二主演「Oh,My Dad!!

過去の栄光にすがり、現実の生活は妻の収入に頼ってきた科学者(織田裕二)が、妻の家出をきっかけに、残された息子とともに奮闘するというドラマ。

最初のうちは、鈍臭く、だらしがない科学者をうまく演じていると思いながら見ていた。

しかし、何話か見続けているうちに、だんだんイライラしてきた。

何度も立ち直れるチャンスがあったのに、それを生かせず、あっという間に所持金は底をつき、日々の生活は困窮…しまいには、隠れて居座った倉庫で火事を起こす。

仕事を見つけ生活が軌道に乗るまで、児童相談所で子どもを預かることになったのに、「そんなことはできない」と息子を連れ戻す…。

これほどまでに、まったく感情移入できないドラマも珍しい。

一方、日曜劇場「半沢直樹」は…

バブル時代に入行した東京中央銀行西大阪支店融資課長の半沢直樹は、理不尽な社内外の悪事に立ち向かい上を目指す。

まず、とにかく、話の割り切り方、テンポの速さがすごい。

自分のミスとして押しつけられた、焦げ付いた融資5億円を取り戻す話が軸で、あとは、多少、家庭やプライベートな部分が垣間見えるものの、それはほとんど和え物か添え物に過ぎない。

曰わく付きの融資先や、“ライバル”の大阪国税局とのつばぜり合い、どんな相手でもひるまずに、丁々発止で立ち向かう姿など、息をもつかせぬ展開、テンポの速さだ。

そして、出演する俳優陣も個性的。壇蜜や、どこに出てるのかわかりにくい夏目三久を使うあたりは、ターゲットの視聴者層をしっかり意識しているのが垣間見える。

で、振り返って「Oh,My Dad!!」は、織田裕二を出演させただけで力尽きた感じ。

共演は、あまり評判のよくない演技で有名な長谷川京子、そして鈴木杏樹は最初だけ、八嶋智人のテンションの高さばかりが目立ち、出演陣のファンならともかく、積極的に観たいと思う気が起きない。

いつまでも先の展開が見えないドラマと、テンポ良く見事な勧善懲悪のドラマ…

たった数話で判断するのも酷かもしれないけど、これでは、もう勝負あったとしか言いようがない。

Posted by ろん