3801 帰化植物
最近、朝出社するときに、鮮やかなオレンジ色の花が気になるようになった。
これは、ナガミヒナゲシというケシの一種で、地中海から中欧原産の帰化植物だ。
なかには、最初から誰かがわざわざ植えたんじゃないかと思わせるようなところにも…
帰化植物というと、あとからやってきた新参者…というか、なんとなく目障りな気がしてしまう。
オレンジもちょっと毒々しい気もするし…
でも、ずっと見ているうちに、ふと、ちょっと違ったことを考えてみた。
ナガミヒナゲシは、1961年(昭和36年)初めて確認されて以来、日本で育っている植物だ。少なくとも、僕よりも先輩なわけだ。
僕だって、もともとこの地の出身じゃなくて移り住んできたわけだし、さらに大げさなことを言えば、日本人だって、そもそも日本列島ではなく、どこか遠いところから移り住んできたはずだ。
違いがあるとしたら、自分の意思があって移ってきたがどうかの違いだけ…遠路はるばる、連れてこられて、見知らぬ土地で、文字通り根を張って頑張ってる…そう考えると、急に、鮮やかなオレンジ色に、愛おしさすら感じてきた。
じゃあ、このまま愛でてれば良いんじゃないか?と思って、あらためて調べてみた。
ナガミヒナゲシは、アルカリ性の土壌を好むため、コンクリートに覆われた都市部で多く見られるのだけど、気になるのはその繁殖力…。
1株から、なんと15万個以上の種子ができるそうで、その結果、急速に全国に広がっているらしい。
しかも、もっとも問題なのは、根などから出る物質に他の植物の生育を阻害する作用があって、最終的には、他の植物を駆逐し生態系を破壊するおそれがあるらしい。
ごめん、さっきの気持ちは撤回させて…。