3716 私が悪いんです
昨年秋、自宅からもっとも近所にあったコンビニエンスストアが閉店した。
閉店した店には、長らく「テナント募集」の大きな看板が貼られることとなった。
今週月曜の夜、自宅からもっとも近所にある本屋で、立ち読みしていたところ、その本屋を営むお婆さんと客との会話が耳に入った。
客は、本か雑誌かを予約しようとしたようだったが、なんと、この本屋が閉店するため、受け付けられないといったような話をしているようだった。
そして、そこでどういう話の流れでそうなったかわからないが、本屋のお婆さんが、こう言ったのを、僕は聞き逃さなかった。
「みんな私が悪いんです」
・・・
いったい何があったというのだろう?
閉店という事実と、お婆さんの言葉は、衝撃的ですらあった。
それにしても、なんで、僕の近所の店ばかりが、こうして次々と潰れていってしまうのだろうか?
そんなショックもさめやらぬ昨日、今度は、勤務先の会社から最も近いコンビニが、明日11日で閉店するという事実を知る。
自宅近くのコンビニだって、本屋だって、会社近くのコンビニだって、それなりにお客さんが入ってたのに…
まるで狙い撃ちするかのように、僕の近くから、次々とお店が消えていく…何なんだ?いったい。
でも、ふと、考えてみる。
自宅近くのコンビニで閉店する直前、最後に買い物をしたのはいつだっけ?
本屋で買い物をした回数はどのくらいだっけ?
会社近くのそのコンビニを利用することは、最近はあまりなかったかも…。
思い返せば、閉店するどの店も、それほど利用してない、もしくは、ほとんど利用してこなかった。強いて言えば立ち読みくらいか…
ふと、本屋のお婆さんの声を思い出して、こう思った。
「僕も悪いんです」
これは、半分冗談でもあるけど、無意識のうちに、店があるのが当たり前になっていたことに気付かされた。
でも、見慣れた店が、ひとつ、またひとつと消えていくのは、やっぱり、寂しいものだ。