3670 「言ったよね?」
夢はよく見る方で、ときどき鮮明に覚えている。
昨日見た夢…。
場所ははっきりしないが、電車や機関車が置いてある公園みたいなところだった。
その近くの停留所のようなところから、バスに乗り込んだ。
しばらくすると、実家近くを流れる川の土手を走っていた。
実家のすぐ近くを通り過ぎたが、バスは止まらない。どうやらバス停はちょっと離れた場所にあるようだ。
しばらく進んでようやく止まり、バスを降りた。
僕は、「ちょっと歩くけど実家の近くにバス停があって便利だ」…とみたいなことを、夢に出てきた、おじゃこに嬉々として言うと…
「それ、前に言ったよね?」
どうやら、以前、バス停があるということを、おじゃこが僕に話をしていたようで、それを、僕はすっかり忘れていたのだ。
そこで目が覚めた。
「夢か…」
でも、僕は、これを夢だとは思えなかった。
夢の後半のシーンは、ふだんの生活で、しょっちゅうあることだったからだ。
特定の誰かというわけではなく、誰との会話でも、その内容を“覚えていない”ことがよくある。
趣味的に関心が高いことでも、すっかり忘れてることもしばしばで、その話題が興味があるかどうかは、関係ないようだ。
むしろ、真剣に聞いたつもりのことを忘れて、逆に、さらりと聞いたり、いい加減に聞いたつもりだった、どうでもいいことばかり覚えている。
困った。
一時、人と会話するのが、ちょっと怖くなったこともある。
そりゃそうだろう、聞いたことを片っ端から忘れていた(ように思えた)のだから。
以前、本気で、すべての会話を録音してやろうかとか、会話のすべての要旨をメモしてやろうかとまで思ったくらいだ。
しかし、仮に、会話を記録したとしても、思い出すためには、そのすべての録音やメモを振り返らなければならない…となれば、あまりにも現実的ではないとわかり、断念。
最近は、それほどひどくなくなったものの、夢に出てきたくらいだから、心のどこかで引っかかっていたのかもしれない。
もし、以前僕に話をしたことのなのに、僕が新鮮な反応をしていても、決して不真面目に聞いていたわけではなかったということを、ご理解いただけるた幸いだ。