3551 優先席

物思いに耽る(雑感),鉄道

昨日の続きみたいな話。

少し混んでいた電車のなかで、空席があったので行ってみると、そこは優先席だった。

あれ?…たしか、ここは先日まで一般の座席だったところだ。

あとで知ったことだが、どうやら、都営地下鉄の施策として、優先席を増やしているらしい。

それを知らせるポスターも見かけた。

これには、ちょっとした違和感を覚えてしまった。

はたして、優先席を倍増させることが、人にやさしい地下鉄を目指すことにつながるのだろうか?

たしかに優先席は、ある種の“抵抗”を生み出し、僕のよう座るのを躊躇わせる効果はある。

しかし、それはどんな席であっても、着席を必要としている人には、席を譲るべきであり、優先席の有無とは関係ないのではないかと思う。

…というのは、おそらく正論だとは思うが、この考えを突き詰めると、うまくいかないという実例が、横浜市営地下鉄で起きている。

全部の席を優先席にしてしまったのだ。

その結果は…「席を譲ってもらえない」という苦情が増えてしまったそうだ。

そのため、優先席よりもさらに優先する、“最優先席”を設けるらしい。

結局は、元に戻ったのである。

全部優先席を、どのように告知をしていたか分からないが、全部の座席を優先席にしてしまうと、そもそも、席を譲るという意識が希薄になってしまうのかもしれない。

そう考えると、通常の一般席と、ある種の抵抗感を持たせる優先席を設けることが現実解のようだ。

そして、高齢化社会を迎え、これまで以上に優先席を必要とする人が増えるのは間違いないのだから、優先席を増やすのは、それなりに、理にかなっているのかもしれないと思った。

こうして、都営地下鉄優先席増設のポスターで覚えた違和感は、やむを得ない対応なのかもしれないと、考え方をあらためさせられた。

Posted by ろん