3233 ドラマ評(2011年4月期-)

芸能・メディア・広告

以前は、ドラマ放送を開始してすぐにドラマ評を書いたが、今回は何話か見た上で書いてみることにした。

ただ、どのドラマもビデオ録画して、あとから視聴しているため、実際の放送よりもちょっと遅いタイミングで視聴していることをお断りしておく。

例によって、あくまで個人の感想なので、あしからず。今クールは、3本のドラマを見ている。


【JIN-仁-】毎週日曜日21時~TBSテレビ系

現代の脳外科医、南方仁が、どういうわけだか、江戸時代末期にタイムスリップ。そこでたくさんの人たちを救うというお話。

坂本龍馬や西郷隆盛などの歴史上の著名人が主人公と交流することで、日本の歴史が作り上げられていくという筋書きも、あり得ない話ではあるけど、とてもわかりやすい。

史実を曲げないよう、いろいろと辻褄合わせをしようとしているものの、脚気に効く食べ物(ドーナツ)を江戸中に広めて、和宮にまで献上したり、幕末にペニシリンを生成して治療に使ってしまうとか、歴史に影響しないわけがないような話も出てきてしまっているので、最終的な落としどころが気になる。

特に第1期の最終回は不満の残る内容だった…ということもあるので、今回、完結編と銘打っているだけに、納得できるエンディングを期待したい。

もちろんフィクションなのだから、そんな細かなことを気にする必要は全くないのだけど、いいドラマなので、細かなところまで気になってしまう。

エンディングクレジットで流れている江戸時代末期と現代の写真を対比させる映像は、メインテーマの良さも手伝って、ちょっと感動的。歴史の積み重ねがあって、今につながっているということが、この映像を通して伝わってくる。


【マルモのおきて】毎週日曜日21時~フジテレビ系

独身サラリーマンと急逝した親友の双子の子供と一緒に生活をしていくなかでのてんやわんやを描いたドラマ。

見ていてまず思ったのは、芦田愛菜ちゃんありきのドラマといった感じ。彼女がいなければ、このドラマは成立しなかったとすら思う。

動物と子どもという、視聴率が取れるキャラクターをふんだんに使い、阿部サダヲや伊武雅刀、世良公則といった実力派の俳優で固め、このドラマ枠のポリシーに沿った「家族がそろって楽しめる、前向きな思いが込められた作品」を忠実に即した内容となっている感じ。

実際に視聴率も悪くないようだ。

余計なことは考えないようにするためだろうが、あまりに子どもたちがいい子過ぎる。それに、とかく障害になりがちな周囲の環境も、完璧なまでに良いのは、「まぁドラマだから」と思うしかないのか?

今後どのように話が展開するかはわからないが、このまま、あまりドロドロした話になることもないだろうし、細かいことは気にしないで見ていくことにしよう。

ちょっと、気になったのは、犬(ムック)の存在だ。

このドラマが始まる前、めざましテレビの名物コーナー「今日のわんこ」に酷似した宣伝CMが何度も流れていたので、ドラマの中では、犬も重要な役割を果たすのかと思ったが、ここまで視聴した限りでは、なぜか「しゃべる」ということ以外は、ほとんどドラマの内容に影響していないように思える。今後、話の展開に加わってくるのだろうか?


【BOSS】毎週木曜日22時~フジテレビ系

ちょっと前のドラマはやたらと、心理分析の刑事モノが多かった。もともと、このドラマにも、その傾向があったものの、今クールは、さらにその傾向が強まった感じ。

これはこれで、興味深いのだけど、何でもかんでも、心理分析や行動分析に頼ってしまうと、なんとなく白けてしまう気がするのは、僕だけだろうか?

まぁドラマだから…と言ってしまえばそれまでだけれど、中途半端にリアリティがあるせいか、気になってしまうが、従来とのドラマとは異質で面白い。

警視庁に設置された「特別犯罪対策室」。降りかかる、さまざまな難事件を鮮やかに解決していく。

前作に比べて、登場するキャラクターが濃くなる…いわゆる“キャラが立つ”ようになった。前回は後半にちょっとしか出てこなかった“野立会”も、今回は何度となく登場してるし。

こうしたキャラが立つ傾向は、ドラマ医龍とまったく同じだ。ただ、どちらも、キャラクター色が強くなっても、結局、ドラマ本編の進行とはほとんど関係ないという点がちょっと興味深い。あくまでドラマの中での味付けであり、視聴者の関心を惹きつけるきっかけでしかないのだ。

それだけに、ドラマ自体を楽しもうと思うと、そうした際立つキャラクターが、邪魔っぽく感じてしまうわけで、バランスが難しい。

Posted by ろん