2888 前カゴのゴミ
ときどき止めていた自転車の前カゴに、ゴミを入れられることがある。
そのゴミは、当然自分のゴミじゃないのだし、捨てられた場所が、たまたま自分の自転車の前カゴであったというだけだから、その場に捨ててしまっても、理屈の上では問題はないはずだ。
しかし、客観的に見たら、それは…
“ゴミ”を捨てているマナーのない奴
というふうに見られることは必至だ。つまり、このように自転車のカゴに入れられたゴミは、否応なく、すでに“僕のもの”と化しているわけで、最後まで処分しなければならないわけだ。
なぜ人のゴミを片づけなければならないのか?
モヤモヤした気持ちになるが、ふと、このようなゴミを入れる人の気持ちを考えてみた。
なぜ、わざわざ自転車の前カゴに、ゴミを入れるのか?
ひとつの仮説として考えたのは、そこらに捨てるのははばかられるが、自転車のカゴならば、目立たずに捨てられるという、安易な発想からくるのか?ということだ。
いや“安易な発想”すらなく、入れるところがあれば、条件反射的に、ゴミを入れてしまうのかもしれない。
彼らにマナーや道徳を説いても無駄なのかもしれない。
しかし、かなり良い意味で捉えれば、「良心の呵責も多少はある?」というふうにも思える。つまり、もしそういった良心の呵責がなければ、自転車のカゴがあろうとなかろうとそのまま投げ捨ててしまうだろう。 でも、わざわざ、自転車のカゴに捨てているのだ。
これは何を意味するか?
街の中でゴミ箱が、実は少ないのではないだろうか? テロをはじめとする犯罪行為防止のため、街の中からゴミ箱が消えた時期がある。その後は、ゴミ箱が増えてきているものの、以前のような数ではない。
彼らは、決して自転車の前カゴに捨てたいのではなく、ゴミ箱さえあれば入れる…はず。つまりゴミ箱を増やせば、このような自転車にゴミを入れるような行為は減るはずなのだけれど…。