2703 応援
朝の連続テレビ小説「つばさ」で、“チャレンジを応援”するということの意味が問われる話があった。主人公がDJをつとめるラジオ放送で、取り上げようとした少年のチャレンジを応援するつもりが、かえって少年のチャレンジを諦めさせる結果になってしまう。
「応援する」
ふだん何気なく言う言葉だけれど、これはかなり難しい行動だと思う。
信頼し合っている者同士であれば、気持ちは伝わってくるだろうが、そうでなければ、プラスに作用するどころか、むしろ悪影響を及ぼすことすらあると思う。
励ましがプレッシャーになることだってある。
「応援」と口で言うのは簡単だけど、実際にどういう行動が応援なのだろうか? これは相手の状況や気持ちをどれだけ理解しているかに掛かっている。答えはひとつじゃないし、人によっても違うし、同じ人でも時間や気分によっても違うかもしれない。
応援というとすぐに思い出すのが、中学生の頃の話。
いくつかの班に分かれて理科の実験中のこと。あるひとつの班の実験が一番早く終わってしまった。先生は
「早く終わった班は、まだ実験を続けている班を応援してあげてください」
とみんなに指示。実験の終わったその班に所属する、まじめのCくん(仮名)は、おもむろに隣の班の前に立つと…
「フレー、フレー、○班!」
と文字通りの応援を始めてしまったのだ。
“応援”とはいったい何だろうか?と考えさせられるエピソードではある。