2508 池袋

ビジネス・経済

池袋三越

見慣れたお店が閉店してしまうと聞くと、たとえ普段あまり利用したことがなくても、ちょっと気になるものだ。池袋三越が2009年5月に閉店するというニュースは、あらためて百貨店業界の厳しさや、池袋地域そのものの相対的な経済的地盤沈下を感じずにはいられなかった。

特に、東武東上線と西武池袋線の沿線住民にとって、もっとも身近な“東京”である池袋には、思い入れがある人は少なくないだろうから、複雑な思いで聞いた人も多いはず。

三越撤退後はどうなるか? まさかここに、ヤマダ電機に続いて、某大手家電量販店なんかが進出してくる?…なんて考えていたら、どうやらこれが現実のことになりそうだ。

ヤマダ電機、三越池袋店跡に出店へ 国内最大級 (ITmedia)

ヤマダ電機が、来年5月に閉鎖する三越池袋店を改装して出店することが分かった。国内最大級の家電量販店が誕生する。

それにしても、ヤマダ電機がさらに店舗を増やすとは…。

ビックカメラとヤマダ電機

ビックカメラの存在は、池袋という街の印象に、良くも悪くも大きな影響を与えてきた。

「安い」を連呼する客寄せやしつこいくらいにスピーカーから流れるテーマソング…。あくまでも私感だが、ビックカメラという存在は、いわば池袋という街の持つ“猥雑さの延長線上”にあったような気がする。

ビックカメラの創業は群馬県高崎市だが、ここまで成長できたのは、池袋という街との相性がよかったからという気がしてならない。

2007年7月。ヤマダ電機が池袋に進出。ビックカメラ池袋本店の横という立地は、明らかにビックカメラへの挑戦であった。

そしてさらに、今回の発表。

今回のヤマダ電機の進出は、池袋という街でなければならない必然性がない。あくまでビックカメラがそこにあったからであり、池袋を拠点にしているビックカメラを潰しに掛かっているに過ぎない。

競争は悪い姿ではない。消費者にとって望む姿の一つの形態だとは思う。

その結果、池袋の街から老舗百貨店が消え、街が、家電量販店に置き換わっていく。

これが池袋という街に望んだ姿だろうか?

うまくまとめることができないけれど、このニュースを聞いて、なんだかもの悲しい気分になったのは事実だ。


大きな地図で見る

Posted by ろん