4298 神の見えざる手に任せておけない?
もやしの価格が安すぎて業者が悲鳴を上げているという。
もやし生産者協会は10日(2014年12月)、スーパーなど小売業界に原料の種子高騰の負担を求める文書を配布した。林正二理事長は「値上げをするか、できなければ廃業するか、そこまでわれわれれは追い詰められている」と訴える。
思い返せば、もやしってほんとに安い。
平均でこの価格なのだから、かなり安いというか、異常に安い。安すぎる。
市場経済で考えれば…

- 競争が過熱して商品価格が安くなる
- 価格競争に耐えきれなくなった供給者が市場を去る
- 供給者が減って、商品価格が上がる
- 商品価格が上がると、あらたな供給者が市場に参入する
- 供給者が増えて、価格競争が始まる
- 1に戻る
…というプロセスを繰り返し、値段が安定してくる。
これは、誰かが指示しているわけでもなく、まるで神が操作しているようだから、いわゆる「神の見えざる手」なんて呼ばれる。
もやしのケースに話を戻す。
もやしは、ずっと1が異常な状態で続いていて、長年、業者は苦労してきたようだ。
そしてついに、2の状態に踏み出そうとしているところ…ということになる。
もっとも、2の状態になるというのは、業者(供給者)にとって痛みを伴うし、消費者にとっても、将来3の段階まで進んだとき、供給者が減り極端に価格が上がることは避けたいはずだ。
業者が適正な価格にしてという希望…というのは、最終的には消費者のためにもなる…と思う。
「神の見えざる手」は、けっこう厳しい。
夜のニュース番組で、消費者の声として、もやしの価格が上がると困る…とインタビューに答えている人もいたが、このまま「神の見えざる手」に任せるよりは、ある程度の価格を許容するほうがいいように思うのだけど、どうだろう?