2377 不信

社会・政治・事件

中国製冷凍餃子を食べた人で中毒症状が頻発した事件。騒動は拡大の一途を辿っている。調べれば調べるほどわからないことだらけで、今後の捜査を見守りたいが、中国製品の一層の不信を招いたことは間違いない。

 

すべての食品で検査すればこうした問題は起きなくなるだろうが、それでは売る商品自体がなくなるかもしれない(検査のために食材をすりつぶす必要がある) 企業はより一層信頼のおける産地や工場に委託するしかないか? …となれば、コスト、商品価格の上昇は免れないだろうが、価格競争が激しい昨今、そう簡単に値上げできない現状は知っての通り。

テレビでは「消費者が賢くなることが大事」なんてことを簡単に言うが、いったいどこまで賢くなればいいのだろう?

今回の事件は「安かろう悪かろう」が具現化したとも言えるが、あらゆる商品が中国で生産される前提となっているいまの日本で、中国製品を避けることは不可能だ。では中国を避け国内で製造した“高価格”商品であれば問題ないかといえば、決してそうではなかったということを、偽装問題の例を見るまでもなくイヤというほど思い知らされてきた。どんな老舗でも大手でも、さまざまな偽装を見せつけられてきた。企業に対する不信は深まる一方。

個人消費が伸び悩んでいるのは、身の回りにある程度のモノが揃って“本当に欲しいモノがない”からではないかと思っている。だから、欲しいモノをどれだけ作り出せるかが、景気回復の鍵を握っているのではないかと考えていたのに、今回のような出来事ばかり起きると、ついには「欲しいモノがあっても買わない」ということになりかねない気がする。

さまざまな不信が、生活を脅かし、景気回復を阻害している。

(文中の写真は本文と直接関係ありません)

Posted by ろん