工場萌え/大山 顕 石井 哲

■建築・都市, 龍的図書館

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大山 顕 石井 哲

東京書籍 2007-03
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新聞の書評か何かで見かけて慌てて図書館で予約。
別に慌てることはないのだけれど「はっ」と気付かされたような気がした。僕が感じたこと…それは、本書の扉のページにそのまま書かれていた。

「そうだ、そういえば自分は工場の風景が好きだった」と気付いてほしい。人がふつうに「好き」と言えるものは、実はかなり枠にはめられていて、その枠には今のところ「工場」は入っていない。その枠を広げたい。

これまで自分が工場の風景を見て、なんとも言いようのない高揚感にも似た感覚を覚えていたことを思い出した。確かに、これは“萌え”の境地なのかもしれない。

何がなんだか判らないくらい張り巡らされたパイプや配線、得体の知れない巨大タンク…それらは、当然人間が作り出したものだから、何らかの“意味のある”ものであるはず。けれど、部外者にはそれがなんであるのか全く判らない。

それはある意味、大自然の造形を見ているのに似ている気がする。自然が作り出したものは、何の意味もなくそこにあるわけではなく、それが誕生した経緯はきちんとある。ふと思い出すだけでも…複雑に入り組んで垂直に切り立ったフィヨルド、周囲を寄せ付けない高さを誇る富士山、豊かな自然に恵まれた知床…。門外漢である僕には、それらの大自然はただただ自分の手のおよばない、すべてを超越した存在に写る。現地に立った僕が感じたのは、僕という存在ののあまりのちっぽけさだった。

話が大きくそれてしまったけど、巨大な工場はどこかそれに通じるものがあるような気がする。