2154 デモ隊

物思いに耽る(雑感)

夜自宅に帰る途中、久しぶりに、シュプレヒコールをあげているデモ隊を見かけた。
おそらく何十年か前には、こうした光景はごく日常のことだったのかもしれないが、いまとなっては、ちょっと珍しい。

デモ隊が車道の端を歩くため、警察が先導してカラーコーンで場所を確保している。歩道と車道の間のカラーコーンで仕切られた空間をデモ隊が、そろりそろりと進んでいく。

先頭の十数人くらいは、旗を持ったりプラカードを持ったりして、拡声器の呼びかけにそれなりの声を上げて応えているが、それに続く後ろの方の人たちは、ただ列についていっているだけで、どうみてもやる気のないように見える。

そして、このデモ隊に加勢する人はおろか、デモを見守る人たちすらほとんどいない。
どこか存在そのものを視界に入れてないように見える。デモ隊と歩道を歩く人たちとの距離はほとんどないのに、心理的な距離はものすごいあるような雰囲気だった。

かつてはどうだったかわからないけど、このデモの効果ってどの程度あるんだろう。やらないよりはやった方がマシ…という程度のことなんだろうか? デモの多くは為政者に向けて行われることが多いと思うが、これらのデモの声は為政者にちゃん届くのだろうか?

ふと思う。なんとなくだけれど、ここ最近、選挙の結果と実際の民意が一致してないような気がしてならない。本来は「選挙の結果=民意の反映」であったはずなのに、乖離してるように思える。
いろいろな考えがあって当然だし、結果を否定するつもりも全くないのだが、こういう感じで同じように思う人がいれば、いまの政治に対する無気力さを生み、無党派層の増大につながってるのかもしれない。

政治に対する思いをどう表現して、どう伝えて、どう生かすか? 選挙以外で民意を生かす方法ってないのだろうか?

ただ…今晩のこの光景を見て、いまの時代、デモ隊はその解ではないと思えてならなかった。

Posted by ろん