2137 自転車は車じゃないの?

社会・政治・事件

自転車に関するこんなニュースを見て、ちょっと気になることが…

歩道を猛スピードで走る自転車に歩行者がはねられるなどして起きる交通事故が増えていることを受け、警察庁は20日、全国警察に自転車による悪質運転の指導取り締まりを強化するよう通達した。

歩道を歩く人にとっては、もはや凶器とも言える暴走自転車に対しては、もっと取り締まって欲しいという声があるのは事実だろう。けれど、本当に悪いのは自転車ばかりなのか?というと、そうではないように思う。

そもそも自転車は“車”であって、車道を走るのが筋のはず。でも、車との事故が多発していることを受けて、一部の歩道を自転車で走ることを認められてきたに過ぎない…と思っていた。それなのに、昨年、さらにこんなニュースを聞いて、ビックリしたのを思い出した。

 現行道交法では、自転車通行を認める標識が歩道にある場合を除き、自転車は車道を通行するのが原則とされている。提言を受け警察庁は来年の通常国会に自転車の歩道通行を認める道交法改正案を提出する方針。


手前から右に伸びてる道路が自転車道で、
なんと自動車と同じように左折レーンもある
(これはコペンハーゲンの例)

 子供や危険な車道に限ってではあるが、法律的にも自転車が“車”ではなくなり“歩行者化”させようということなのだ。そもそも、それなりのスピードを出せる自転車と歩行者を、同じ道を通そうとすること自体に無理があるということに、誰も気付かないのだろうか?

 あまり外国の事例を出して「日本が遅れている」みたいな論調は好きではないけど、あまりに立ち後れた日本の状態を見ると、どうしても引き合いに出したくなるのは、去年出掛けた北欧の例だ。ほとんどの大きな道路では、必ず車道、歩道との間に「自転車道」が必ず設けてあって、自転車は車も歩行者も邪魔することがないようになっていた。街のど真ん中に自転車道があるというのは、日本からするとすごく不思議な感じがする。
(慣れてないせいか、つい自転車道を歩いてしまったため、自転車からベルを鳴らされてしまった)

 自転車に対する考え方の違いだろう。日本ではとにかく車優先で、そのしわ寄せが歩行者、自転車に来ているとしか思えない。

 本来、車である自転車を歩道に乗り入れさせておきながら、歩行者に危険を感じさせてはいけないなんて「自転車に乗るな」と言っているのに等しい。
 仮に、二車線以上の道路うち一車線を自転車専用にするなんて言ったら、さまざまな業界から猛反発を食らいそうだが、自転車に対する規制強化だったら文句を言われることなんてないんだろうな。


その後…

2007年5月13日、市街地にも自転車専用の走行レーンを作る方針を固めたというニュースが伝えられた。

 自転車がからむ交通事故が増えていることから、警察庁と国土交通省は自転車の通行ゾーンの整備指針を共同でまとめる方針を固めた。従来の自動車・歩行者中心の道路行政を見直し、車線を削ったり歩道を区分したりして、自転車の通行空間を確保し、事故を減らそうという新たな試みだ。道路の形状ごとに類型化した通行ゾーンの設置方法を都道府県に示し、自転車のための空間拡充を進める。(朝日新聞のキャッシュ

ようやくって感じだけど、実際にこのような道路ができるのはいつのことか?

Posted by ろん