1558 横書きの話の続き
またまた、昨日に引き続き、横書きの話。
右書き、左書きの話で以前から気になっていたことがある。昨日から読み始めた本(横書き登場)の中でも触れられていたので、ちょっと取り上げたい。車の側面に書かれる会社名や商標名のことだ。
側面に書かれる文字をよく見ると、不思議な並びをしていることに気付く。右側面には「右から左への表記」、左側面には「左から右への表記」がされるケースをよく見かけるのだ。左側面は普通の文字の並びだが、右側面はいわゆる「逆」の並びになっている。なんでこのようなことになっているのか?
まず考えられるのは、「車の進行方向に順番に文字を読んでもらうため」ということだ。でも考えてみれば、妙なことで、実際に文字を認識するとき、先頭から順番に文字を読むなんてことはまずあり得ない。一回でまとめて認識することが普通だし、認識できないくらい速いスピードで移動する車だったら、そもそも文字が読めない。先頭から順番に書かれる必然性はまずないのだ。
この本ではこの状況をこのように解釈している。
乗り物の頭に文字の列の末尾がくれば、落ち着きの悪さを感じずにはいられない。西欧語のように横書きの方向が一種類しかないのなら、それでも我慢せざるを得ないだろうが、日本語には当時すでに左横書きも右横ガキも存在していたのだから、こうした際、それを用いるのは当然ではなかろうか
なるほど、車やトラックで、右から左へ書かれている文字というのは、ひとむかし前の日本の書き方の名残…つまり「化石」みたいなものなのかもしれない。そんな感じで、車を見ると、ちょっと違って見えてくるから面白い…ってオレだけか?