1732 ATM

定点観察

 昨日のこと。
 2万円を預けようとATMに現金を入れた。ふたが閉じてちょっと待っていると、軽い異音がしてキャッシュカードが出てきた。画面表示が変わる。

「係員をお呼びください」

 …

 現金だけ“食べられてしまった”状態だ。行列の後ろに並ぶ人が怪訝そうに僕を見つめている。僕はその目に耐えきれなかった。

「すみません、どうも壊れてしまったようで…えへへ」

 愛想笑いしながら、なぜか謝ってしまう自分が嫌い。

 仕方がないので、ATMに備え付けの連絡用電話をかける。電話に出た人は、申し訳ないとは言いつつも、こんなことはしょっちゅうあるような感じで、いま起きている状況について質問してくる。話によると、15分か20分くらい待てば、中から現金を取り出して直接返してくれるという。

ただいまお取り扱いできません
ただいまお取り扱いできません

 ただこんな場所で20分も待ちたくはなかったので、その旨を伝えると、携帯電話番号を伝えれば連絡してくれるという。まぁ、ここから比較的近所だし、急いでいないので今回はいいけれど、どうしても時間がない場合ってどうなるんだろう。

 しばらくして電話が来る。電話の係の人は、まず僕のキャッシュカード番号を確認してきた。なるほど、なりすましがないかどうかをチェックしているのだろう。

 またATMに戻ると、警備員の人が待っていた。「○○です」と名乗ると、今度は携帯電話の番号を教えてくれという。結構細かいマニュアルがあるのかもしれない。“食べられてしまった”現金を返してもらうと、受け取ったという文書にに署名して欲しいという。なかなか面倒な話だ。

 警備員がいる前で完了させれば、仮にまた“食べられて”しまっても救出してもらえるような気がしたので、その場でATMに入金。

 無事入金処理完了。なんだかくたびれた。

Posted by ろん