7452 東京建築祭「明治生命館」

建築・都市

明治生命館
明治生命館

これまで明治生命館も、他の建物と同じようにこれまでも行こうと思えば行けたはずなのだけど、なかなか行けなかった。

そして、今回の東京建築祭で特別な公開があると思ってわざわざ足を運んだものの、展示自体はふだんと同じだったので、ちょっと残念ではあったが、こういう機会でもないと観るきっかけもないから、これはこれでよかったとも思う。

最初入り口がわからずぐるっと回ったが、ふつうに正面から入ればよかったようだ。

ただ入口に見学についての案内を見つけることができなかったので、守衛の方に行き方を聞き、エレベーターで2階に上がる。

エレベーター用の機器?
エレベーター用の機器?
エレベーターも年季が入っている
エレベーターも年季が入っている

2階から見学コースができていて、パネルや映像での紹介する部屋を通った後、実際の建物内部の見学が始まる。

まずは、重厚な雰囲気の会議室。

重厚な会議室
重厚な会議室
空調吹き出し口と石膏彫刻
空調吹き出し口と石膏彫刻

パッと見た瞬間、どこかで見たことがあるなぁ…と思って調べてみたら、ドラマ「半沢直樹」のロケ地としても使われたことがあるようだ。かつて、終戦直後、GHQの諮問機関として米・英・中・ソの4カ国代表による対日理事会の会議がここで行われたという。

天井は、見事な石膏彫刻(ロゼッタ)が施され、”暖炉”の飾りも細かい。

また重厚なだけではなく、同時に先進的な機能性も持っていて、暖炉のように見えたのは、実際には暖炉ではなくて、全館空調の吹き出し口になっているようだし、その風量も自由に調整できるようになっていたようだ。

また時計も、全館で連動していて、一部の時計だけがずれるなんてことはなかったようだ。

時計は全館連動
時計は全館連動
風量調節器
風量調節器
料理用昇降機
料理用昇降機

階段を挟んで次の部屋に入ると、小さな扉が並ぶ機械らしきものがあった。

そしてこの部屋に続いているのが、食堂だとわかって、この扉の意味が分かった。

料理を運ぶ小型のエレベータだったのだ。

重厚さのなかにも、天井の柔らかなアーチがどこか優しい雰囲気を感じられて、ぶどうの装飾が”食堂感”がある。

天井のアーチが美しい食堂
天井のアーチが美しい食堂
ぶどうの装飾
ぶどうの装飾

食堂を出ると、1回の執務室を見下ろすような廊下がある。

実際に現在も執務が行われているため、残念ながら、写真撮影はできない。

天井には明り取りのための窓があって、吹き抜けのとても広く明るい空間となっている。

執務室の天井のは明り取り
執務室の天井のは明り取り
イオニア式の角柱
イオニア式の角柱

先進的なオフィスビルだったことをうかがわせる設備がいろいろある。

各フロアから郵便物を1階で集められるようになっているし、廊下には吸塵バルブが設けられていて、ここにホースをつないで掃除が行われていたようだ。

あちこち工夫が多い。

機能的なメールシュート
機能的なメールシュート
吸塵バルブ(真空掃除機)
吸塵バルブ(真空掃除機)
特に紹介がないけど、おそらくは建設当時から使われているであろう部分もあちこちあって、いろいろ気になる。
時代を感じる非常口灯
時代を感じる非常口灯
すべてが見どころ
すべてが見どころ

都心の一等地にこれだけの建物を維持して、さらにこうして無料で公開できるのは、さすが歴史ある大手生命保険会社だけあるな…と感じた。

他にもいろいろ紹介したいところだが、ネタが多すぎてキリがなく、書ききれない…。

Posted by ろん