2298 黒川紀章
昨日、黒川紀章が亡くなった。
ほんのつい最近まで、あんなにマスコミを賑わしていたのに…。あまりに突然の最期だったので、とてもびっくりした。
晩年はちょっと?変わった生き方をしていたが、間違いなく偉大な建築家であった。そして僕に建築への興味をかき立ててくれた最大の恩人であった。
彼の作品には、賛否両論はあるし、僕自身必ずしも共感しているわけでもない。
それでも、なぜか惹かれるものがあるのだ。
自分の理想を“語る”には、言葉はもちろん、絵画や写真など、さまざまな手段がある。建築家であれば、建築作品を通じて、自分の思いや理想を形作っていくのは当然のことだ。
中銀カプセルタワービルを見たとき、心が揺さぶられたのは、彼の理想が、この建物を通じてあまりにも明確に伝わってきたからだ。そして、これだけの規模の建物を本当に実現してしまったパワーに圧倒されたからだと思う。
「建築物と向き合うこと」は「建築家の考え方や理想と向き合うこと」なんだということを学ぶことができたような気がする。
将来、こんな建築家に出会うことができるだろうか?