7414 百貨店の矜持
「文化勲章 三代の系譜 上村松園・松篁・淳之」を鑑賞した日本橋高島屋は、先日1000万円の茶碗が盗難にあったというニュースで世間を騒がせたばかり。
エレベータの催し物案内には、そのイベントも載っていた。
そんな事件があって、甘い管理体制に批判が集まってしまった高島屋だが、百貨店の矜持とも思えるようなことがあった。
高島屋史料館TOKYOで、サハリンの少数民族を紹介する小企画展を入場無料でやっていた。
ジャッカ・ドフニ 大切なものを収める家 サハリン少数民族 ウイルタと 「出会う」サハリンにこうした少数民族が暮らしていて、日本とのつながりも大きかったなんて、初めて知った。
展示のなかで、ウイルタと同じような少数民族が育てていた樺太犬が、南極観測のために連れて行かれた、タロとジロだったという話もあって、興味深かった。
こうした内容のイベントは、公共の博物館などでもできることかもしれないが、わざわざ足を運ぶかというとなかなか難しい気もする。
百貨店の買い物や、今回のような大型の企画展などのついでだからこそ、ふだんなら見逃してしまいそうなことを学ぶ機会が生まれるんじゃないかと思う。
また百貨店の前では、地元の消防署と共同で「消防防火フェア2024」をやっていて、客への呼び掛けなどする高島屋のはっぴを着た店員の姿があった。
企画展にしても、消防フェアにしても、それがすぐに商売とか売上げに結び付くものではないが、それでも開催するというのは、まさに百貨店の矜持なんだろうな…と思った。