7122 山万ユーカリが丘線
自らが開発したニュータウンに自ら鉄道を敷設するというかなり珍しい山万の「ユーカリが丘」線は、そうした建設経緯から、その車両や路線など、かなりユニークだ。
京成線のユーカリが丘駅から延びるラケット状の循環路線で、どストレート駅名がときどき話題にもなる。
以前から気になっていたが、中途半端に遠いし、なにかのついで…というきっかけもなかったから、なかなか乗る機会がなかった。
そうこうしているうちに、こんなニュースを見たから、もう行かずにはいられなかった。
思いついたら行くしかない!
出社に間に合うように…と考えると、日暮里発5時27分発の成田空港行きに乗るしかなかった。
この時間帯は、各駅に止まる普通列車しかないため、実に1時間以上かけて、ユーカリが丘駅に向かうことになった。
ユーカリが丘駅には、定刻通り6時33分に到着。
この時間になると、上りも下りもかなりのお客さんが乗っている。
もちろん、ユーカリが丘駅に降りるのは初めて。
山万ユーカリが丘駅は、京成の駅に直交する位置にあって、ちょうど列車がやってきたところだった。
駅前のペデストリアンデッキから、列車がよく見える。
京成ユーカリが丘駅から乗り換えの通路を通って、山万ユーカリが丘駅へ。
列車の大きさに合わせているのか、駅の設備は最小限で、自動改札機も非接触のカードには対応せず、ひと昔前のものといった感じ。
階段を上がると、先ほど見えた列車が止まっていた。こあら3号とある。3編成あるうちの1編成だ。
すでに到着して数分ほど経っているが、自分以外の乗客はいない。
車両は小さいが、ホームは結構広い。
車両は、ちょうど、新交通ゆりかもめとか、日暮里舎人ライナーのような広さだが、さすがに40年前に作られたということで古さは否めない。
そしてそれらとの最大の違いは、冷房装置が付いていないことだろう。
まだ早朝なので、それほどの暑さはないが、日中だとかなり熱がこもりそうだ。
天井には送風用のファンが取り付けられているが、側窓も開けられていて、空気が流れるようになっている。
日中、もっと熱くなったときには、うちわやおしぼりが配られているという。
2駅目の「公園駅」に到着。いったん降りる。
目の前にある公園以外は、住宅地が広がっている。
ここで列車は反時計周りに進路を取ため分岐の右側へ向かっていく。列車の本数は多いので、ほどなくしてすぐに次の列車がやってきた。
ニュータウンのための鉄道ということは知っていたが、その開発はラケット状に走るユーカリが丘線のなかではなく、開発されいているのは、その周囲であるということは、ここにきて初めて知った。
東京ディズニーランドやディズニーシーを囲むようにして走るディスに―リゾートラインのイメージだったから、これはちょっと意外だった。
だから、反時計回りで走るユーカリが丘線の進行方向右側(外側)は住宅地が広がり、左側(内側)は、ずっと森のような景色という感じになる。
どストレートな駅名が続くユーカリが丘線の「女子大駅」で下車。大学の誘致が頓挫した代わりに?大学のセミナーハウスだけがあるとのこと。
ここから隣駅まで歩いていくことにした。
車両基地は女子大駅に隣接した場所にあって、そのすぐ近くには山万が運営するバスも止まっていた。
よく見ると、こあら4号、5号、6号とあって、列車との連番だった。
次の列車に間に合わなくても遅刻することはないが、余裕がなくなってくるので、できれば次の列車に乗りたい。
ということで、やっぱり、小走りになってしまった。
散歩で歩く人以外すれ違う人はない。
遅れないように…と、早目に歩いていたら、けっこう早めについてしまった。
やはり駅と駅の間の距離が短いのだ。
「中学校駅」に到着。ちなみに、こちらには、本当にちゃんと中学校がある。
女子大駅から乗るお客さんはいなかったようだが、こちらは10人ほどのお客さんがいたし、その次の駅からもお客さんがいた。
途中駅で降りる人もいたから、人の流れがけっこう活発なようだ。
当初の予定通りにユーカリが丘に到着し、無事出社できた。
ユーカリが丘線が、今後どのように変わるかわからないが、そのときのための記録になったと思う。