7102 都橋商店街ビル
よくドラマなどで登場する風景のなかで、以前から、ちょっと気になったところがあった。
何かのついででいいから、一度見ておきたいと思っていたが、”ついで”というのは、結局行けないもの。
ふと「行こう!」となぜか決心したときを大切にした方がいい気がして、今朝、思い切って見に行ってみることにした。
まず横浜の桜木町駅へ。
横浜に用事があると、ほぼ、みなとみらい線を利用してしまうので、この駅で降りるのはかなり久しぶりだ。
すっかり錆びてしまった鉄道開業の記念碑を見ながら、今日の目的地に向かう。
ちょっと数分ほどで都橋商店街ビルに到着。
手前を流れる川は大岡川だ。
露天商を収容するために1964年(昭和39年)に建設された共同店舗で、河川と一体となった弧状の建物は珍しく、横浜市の歴史的建造物に登録されているそうだ。
以前はいろいろな店があったそうだが、現在は、ほとんどが飲み屋になっているみたい。
そのためか、すべての店が店を閉じていて、人の気配がまったくしなかった。
当然、夜の景色は今とはまったく違うだろう。
お酒を飲まないので、なかなかこういった場所に来ることはないのだけど、店内はどんな感じなのか、とても気になる。
都橋商店街ビルを見学しているときに目に入ったのが、これまた独特な雰囲気のある商店街だった。
あとから調べて分かったのだが、横浜コリアタウンとも呼ばれている、福富町国際通り商店街だった。
特に気になったのは、それぞれのビルが歩道に庇を掛けているところ。
都橋商店街ビルのような独特の建物であっても、歴史的建造物に登録されたのが、戦後建築としては初めてだったそうだから、こうした歓楽街の建物なんて、消えてしまうのも時間の問題なのかもしれない。
きっと、いまが一日のうちでもっとも人通りが少ない時間帯だろう。
ある店の前では、おそらく深夜働いていたであろう女性たちが、ぐったりとした感じでたばこを吸っていた。
都橋商店街ビル以上に、こちらの夜の風景は、まったく違っているはずだ。
少し勇気がいりそうだが、いずれ、なくなってしまうかもしれないと思うと、ぜひあらためて見に行ってみたい。