7098 TOCビル
近々、建て替えがあると聞いていたTOCビル。
当初今年春に閉館して解体という予定だったそうだが、半年から1年程度順延して、それまでは営業を継続となったらしい。
しばらく残るとはいえ、思いついたときに行っておかないと行きそびれると思って五反田へ向かう。
五反田駅からちょっと歩いて、TOCビルへ。
やってきたときには、正面の出入口はまだシャッターが降りていたので、周囲をぐるりと回る。
周囲も全体的に古めかしい。
TOCビルの敷地内にあった石碑みたいな石は何だろうと思ってみてみたら、筑波山の花崗岩だった。
それも説明の文字が消えかかっていて、かろうじて読めた。
正面入り口には、tocの表札と、昭和44年12月に竣工したことを示す定礎石があった。
8時になってシャッターが開き内部へ。
まず気になったのは、銅像だった。名前を見ると「大谷米太郎」とある。
ホテルニューオータニの創業者だが、彼の生い立ちを見たら、ドラマができそうなくらい波乱万丈だったが、これはまたの機会に。
館内をうろうろすると、”昭和な感じ”の風景があちこちにあった。
こういった雰囲気を再現することは難しいだろうから、残ってほしいと思ってしまう。
屋上庭園があると聞いていたので、エレベーターで一気に向かう。出入口に「9:00~21:00」とあって、すぐに出られないのか!?と思いつつ自動ドアのボタンを押すと、なんてことなくすぐに出られた。
早くものんびり過ごしている先客もいた。常連っぽい。
見晴らしがとても良い。13階建てということで、ビルとしてはむしろ低いくらいだが、それを感じさせないほどの見晴らしのよさ。
周囲に高い建物がないせいだろう。
ゴルフの練習場と神社があるが、どちらも広い屋上のなかの隅のほうにあるといった感じ。
どのフロアもそれほど大差ないのかな…と何気なく見ていったが、けっこう雰囲気が違っていた。
同じようなフロアが続いていたら、途中からエレベータで降りようと思ったが、気になってずっと階段を使って降りてしまった。
特に、7Fよりも下のフロアは、その階数に合わせた名前が付けられていた。
たとえば、7Fは七色を連想させる”レインボー”だし、6Fは”むつみ”という感じだ。
5F:group gogo
4F:四ツ葉会
3F:三和会
いまは空白だらけだが、最盛期には、案内図いっぱいに、企業名が書かれていたのだろう。
半年から1年ほど営業が継続されるということだが、こうした独特の空気に触れられる期間も、あとわずかということになる。